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     ここは新潟でボードゲームを楽しむ人達のための集会所です。

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1年はあっという間ですが、最近のボードゲームシーンはどんどん一般認知度が上がっている感じで、人気TV番組で取り上げられたり、各種メディアに『ボードゲーム』や『テーブルゲーム』という言葉が普通に飛び交うようになりました。私がこの趣味に関わりはじめた時に、ある意味では期待していた未来像に近い時代がようやく到来したと言えるでしょう。そういう意味ではこの趣味に関わってもう20年以上経ちますが、とても感慨深いものがあります。
そしてそんな中でも未だに本格的なドイツゲームを愛する気持ちを失わずにいれる喜びというか、ライトとヘビーの2極化が進む中でもちゃんとこの趣味が成立する作品の奥深さ、懐の深さみたいなものは年を重ねるごとに実感してます。相も変わらずフリーク向けの作品が多いラインナップですが、私と同じような気持ちでこの趣味に関わって下さっている方は少なくないと信じて、今年度もまた皆さんに個人的BESTを紹介したいと思います。byタカハシ

第1位:ティオティワカン

ティオティワカン今年は非常に秀作が多く、最後の最後まで悩みましたが個人的BESTはこの作品でした。「良い作品にはプレイヤーをゲームにのめり込ませる推進力がある」という個人的な信念に基づいて選んだ結果ですので、後悔はしません(たぶん^^;)。一定方向に駒を動かし、その先のアクションを実行するという『ロンデル』システムの進化版ともいえるこちらの作品は、非常にドイツゲームらしい本格派で、随所にプレイヤーの思考が入り混じる感じがとても良かったです。決してゲーム中の会話を楽しむ作品ではないのに、それでもプレイヤー間で面白さを共有できる。非常に高いレベルでの面白さの安定性がこの作品の一番の魅力なのではないでしょうか。


第2位:ウィングスパン

ウィングスパン第2位は本年度年間ドイツゲーム大賞エキスパート部門とドイツゲーム大賞のダブルクラウンに輝くこちらの作品です。女性デザイナー(達)が手掛けた本格的カードマネージメント作品で、キックスターターは即日完売。海外での評価はどんどんうなぎ登りに上昇し、遂には最高峰ともいえるボードゲーム賞を2つも獲得するに至りました。その圧倒的なカードのアートワークとダイスタワー等のコンポーネントの充実は見事の一言で、シンプルなルールと高いゲーム性が見事に調和したのが大きな勝因と言えるでしょう。ただしもちろん面白さの補償は十分にできますが、個人的にシステム自体の目新しさに若干欠けた点が最後2位になった理由です。


第3位:ベルラッティ

ベルラッティ第3位は今年度ナンバー1のコミュニケーションゲームともいえるこちらの作品です。これはもう面白いとしか言いようがない作品ですね。小箱シリーズの作品でありながらエッセンでのスカウトランクは堂々の1位!それも納得の面白さです。非常に良く出来たシステムと『贋作』というテーマの融合も素晴らしく、常に笑いと苦悩が込み上げるセッションになります。仲間内で思いついたハウスルールが秀逸だったのでそちらを採用している点と、やはり小箱シリーズなだけにイラストをメインに据える作品でありながらカードが小さすぎるという点がほんのわずかな減点でしょうか。でもそんなのは全く気にならない面白さがこの作品にはありますね。


第4位:ルート

ルート第4位は今年度最も驚かされたこちらです。同一のボード上でルールや目的の全く異なる種族同士が覇権を争うという、今までにない全く新しいコンセプトの元、システムやゲームバランスを細かく調整して生まれた珠玉の作品です。今年度の国際ゲーマーズ賞ストラテジー部門にも輝き、まさにフリークのためのフリークゲームともいえる作品でしょう。当然と言えば当然なのですが、異なる諸族が異なる目的・手法で勝利を目指すだけに、自分自身の目的・手法だけではなく他のプレイヤーのそれも熟知している必要があるので、ルール把握の難易度が非常に高いのが大きなマイナス点ですが、それを覆すだけの十分な魅力が内包されています。


第5位:レス・アルカナ

レスアルカナ第5位は巨匠トム・レーマンによる短期決戦カードゲームです。同デザイナーの『王への請願』のカード版リメイクともいえるこちらの作品は、非常に短時間で戦略的なゲームが楽しめるという秀作です。どちらかと言えばソロプレイに近い部分や決して少なくない運要素もあるのですが、その中でも戦略性や他者との駆け引きもあり、また短時間で終わるのでもう1回!の一声がかかりやすいのも良いですね。国内ショップの努力もありカードゲーム特有の言語依存がありながら、海外とほぼ同時に日本語版が楽しめたのも良かったです。こちらはついては是非1回目のプレイで満足することなく、数回連続でプレイされることを強く推奨したい作品ですね。


第6位:コインブラ

コインブラ第6位はこちら。『ワーカープレイスメント』と『ダイス』を組み合わせるいうここ数年良く見かけるシステムですが、デザイナーは数々の秀作作品を世に送り出してきた某有名ボードゲームデザインチームの中のお2人。内1名は女性です(最近女性の活躍が目立ちますね)。日本語版発売と同時に正式国内流通が行われましたが、カードを用いる作品ですがアイコン重視で言語依存は一切ありません。サイコロ運を運とせず、戦略次第でいかようにも勝ち筋が生まれるようにデザインされているのが実にフリーク魂を揺さぶります。中量級で海外での評価も非常に高く、リプレイ欲求も高めとなればこれはもう絶対に外せない作品の1つですね。


第7位:ライジングサン

ライジングサン続いて第7位はマルチゲームの新機軸、通称「雷神さん」こと『ライジングサン』です(エグザイルは関係ありませんw)。古き日本の神々の攻防という独特の日本観にあふれるこちらの作品は、発売前から話題沸騰で海外での評価も非常に高い作品でした。残念ながらマルチゲームということでプレイヤー間の攻撃色が高く、好みが限定される作品ではありますが、ルールもシンプルで分かりやすく、評判通りの素晴らしい作品だと感じました。迫力のあるフィギュアやコンポーネントも豪華で遊び応えは十分。1日でも早く日本にマルチゲームの文化が根付いて欲しいと願いながらも、平和主義の日本ではなかなかそれも難しいのかなとも^^;


第8位:イクアツ

イクアツ第8位は当サイトにしては少しライト色が強めではあるのですが、私はライトゲームはライトゲームできちんと評価したい面もあるので、ある意味で今年一番のオススメライトゲームです。メーカーのハバ社は御存じの通り子供向けボードゲームの老舗ですが、時折こうした大人も楽しめる作品を提供してくれることでも有名ですね。『イグアスの滝』を模した素晴らしいギミックのボードがシンプルなカードゲームをより一層盛り上げてくれます。家族で楽しくかつ真剣に遊ぶなら、こうしたゲームが最適であるのは間違いないですね。ハンドマネージメントと先読みの要素もあるので意外に悩み所も満載でスパイスが効いているのが実に魅力的です。


第9位:西王国の建築士

 アーキテクト第9位は昨年の『北海の略奪者』に引き続き、同メーカーのリリースした『西王国の建築士』です。どうでも良いですが、昨年もそうなんですけどこのメーカーは作品名でだいぶ損をしていると思います。もう少し気の利いたタイトルならばもっと評価されて売れているじゃないかなと。まぁそれはさておき、メインシステムはこれまた昨年同様お馴染みの『ワーカープレイスメント』です。ただしこちらに関しては『ワーカーマネジメント』も同時にシステムに組み込んでいて、今までにない新しいプレイ感の創出に成功しています。地味と言えば地味な作品なんですが、その中でもしっかりと面白さを感じられるような作品はなかなかありそうでないんですよね。


第10位:恐竜来たる!

恐竜来たる!最後は、(この時点では)国内未流通なんであまり紹介はしたくないのですが、早く日本語版を発売して欲しいという願いを込めて『恐竜来たる!』をオススメします。既に海外では高い評価を得ている完全無欠のマネジメントゲームで、映画『ジュラシックパーク』の中のテーマパークの運営をテーマに、素晴らしいゲーマーズゲームに仕上がっています。遺伝子を獲得して新しい恐竜を創造し、お客さんに公開しますが一定の危険度を超えるとペナルティがあったり、そのサイケデリックな色の駒も相まって独特の世界観が構築されているのが見事ですね。カードやタイルなどかなり言語依存があるのでこれは是非日本版の発売を期待したいですね。


☆番外編:勝手に2人用ゲ-ム大賞☆

リンカーン

リンカーンこちらも現時点では国内未流通の『リンカーン』ですね。名匠マーチン・ワレスによる新型カードゲーム。氏の代表作『数エイカーの雪』もそうでしたが、良質の対戦ゲームには非対称のものが少なくなくこちらの作品も同様です。『数エイカーの雪』が独立戦争をテーマにしていたのに対し、こちらはタイトルでも分かる通り南北戦争がテーマです。カードドリブンがメインシステムですが、何と言っても特徴的なのが使えるカードがどんどん減っていくという『デッキ消失』ともいうべき新しい概念です。この新しいシステムの創出により今年度の国際ゲーマーズ賞の対戦部門にも輝きました。この意欲作に関しては一日でも早く国内流通して欲しいですね。


☆番外編その2:勝手によくぞ日本語化してくれたで賞☆

デクリプト

デクリプト前述の通り、今年の勝手にライトゲーム大賞は『イクアツ』なので省略させていただいて、繰り上げで番外編の2番目は勝手によくぞ日本語化してくれたでしょうということでこちらの傑作コミュニケーションゲームを紹介させていただきます。本来ならば日本語版発売のタイミング的には昨年のランクインが時期的に良かったのですが、私自身のプレイのタイミングが合わずに1年遅れました(なんせ一定の人数が必要なもので)^^;ワード系の作品には近年『コード・ネーム』という大傑作がありますが、これはそれに近い面白さがある作品。どちらかといえば日本語化というよりもギミックとの組合せが素晴らしいのですが、まぁとにかく良く出来ています。


☆番外編その3:勝手に再販して欲しいで賞☆

ガンジスの藩王

ガンジスの藩王最後は昨年の国際ゲーマーズ賞のストラテジー部門を受賞し、国内でもホビージャパンさんから一時流通したのですが、最初の販売在庫数が尽きたのか、その後未だに再販がされていないこちらの作品を紹介したいと思います。ダイスマネージメントの素晴らしく面白い本格派の作品で、国内外での評価も非常に高く、プレイしたいんだけどもうどこも売り切れで購入できないよ~と嘆いている方は少なくないのではないでしょうか。是非こちらは再販していただきたいですね。昨年ココで勝手に国内流通して欲しいで賞に取り上げた『クランク』が、見事今年国内流通してもらえたので、期待を込めてメーカーさん、ショップさん、是非是非お願いします。
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