昨年発生したコロナウィルスが、瞬く間に世界を一変してしまいました。生活様式はもちろん、つい昨日まで気軽に直接会うことができた友人と会えなくなってしまう現実。インドアの趣味としてもはや立派にその地位を確立したといっても過言ではないボードゲーム界も、リアルなセッションを行えないという現実に直面し、各地のゲーム会はのきなみ自粛。家族やごくごく親しい友人とのみ楽しむという以前の閉鎖的な状況に追い込まれてしまいました。そんな中で選ぶ年間ゲームのBEST10は、やはり長時間ゲームではなく1時間程度でセッションが終わるような作品が多くなってしまいました。たまたま今年がそうだったのか、私自身のゲーム選択の基準が変わったのかは分かりませんが、今年度は比較的そうしたライトゲームの秀作が多かったように感じます。もし未プレイの作品があったとしても、いつものNBGC推奨の重ゲーとは異なる作品ばかりですから(笑)安心して楽しんでもらえたら幸いです。byタカハシ
第1位:ファイユム
今年度のベスト1は久々に名匠フリーゼ復活を印象付けてくれた『ファイユム』を挙げたいと思います。まずテーマが非常に良かったですね。エジプトを舞台にしたボードゲームには過去にもたくさんの名作がありますが、やはりこうした背景がセッションの雰囲気を何倍も良くしてくれます。ゲームのシステムは王道のドイツゲームといわんばかりのシステマチックなもので、実際にはそのルールのシンプルさに比べて何倍もディープな作品だとは思いますが、良い意味でプレイヤーを飽きさせない魅力が詰まっていて、勝敗が決した後もその余韻が深く残りました。コンポーネントも充実しており、トータルなバランスからもこちらの作品が1位でした。
第2位:ファーナス
続いて第2位は、こちらは長年の友人でもあるゲームストアバネスト店長の中野さんからオススメされて購入したこちらの作品ですね。中野さんの良いところは決して押しつけがましくなく、それでいて絶妙なオススメをして下さるところが素晴らしいです。こちらの作品も決して『面白いからオススメですよ』などとは言わず、ただ一言『私は注目してます』とだけおっしゃったんですよね。そんなんもう買うしかないじゃないですか(爆)。そして実際のセッション。久々に痺れましたね~。競りゲーとして全く新しい感触を生み出しており、非常に単純なシステムなのになんと奥の深い(懐の大きい)作品だろうか?と本当に驚かされました。大満足です!!
第3位:パークス
第3位は今年度に限らず、私の長いボードゲーム人生の中でも最も美しい作品に出合ったと感じたこちらの作品です。世界中の国立公園を旅して写真を撮るというテーマに沿って、実に美しいカードがテーブルを飾り、また駒となるコンポーネントの美しさ、ボードの色、バランス、箱の収納に至るまでその全てが素晴らし仕上がりで、初めてコンポーネントだけで感動してしまいました。また実際のゲーム自体も非常にシンプルでありながらスパイスのきいたジレンマが楽しめるワーカムーブメントで、レベルの高さを感じる一方、あまりにもコンポーネントが美しすぎるせいで、他のプレイヤーとの競争意識が少し薄れてしまっているようにも感じました。
第4位:ポイントサラダ
第4位は今年度のカードゲームの中では文句なしにこの作品だ!と思ったこちらの作品です。今まで数多くのセットコレクション系のカードゲームをプレイしてきましたが、こちらの作品はその中でも群を抜いて完成度が高い作品だと思いました。とにかくそのシステムが素晴らしい。難しいところは1つもないのに実に難しい(笑)という、まさにカードゲームの神髄を久々に堪能させられました。なお一部言語依存がありますので、完全日本語版が発売されてますからこれからの方にはそちらをお勧めします。絶対に持っていて損はない作品ですし、今後これ以上のセットコレクション系の作品が現れるかどうか心配になるほどのレベルの高さです。
第5位:アルナックの失われし遺跡
第5位は本年度数々のボードゲーム賞に輝いたこちらの作品です。この作品が5位かよ!って驚かれる方も少なくないのではないのでしょうか?それくらい今年度の作品としては人気と完成度が高かった作品で、個人的にもその意見には大賛成ですし異論もないのですが、1つ問題点があるとすれば、ゲーム慣れしている方とそうでない方とではかなり差が出てしまう作品のように感じてしまいました。それを良い点とする意見ももちろんあるかと思いますが、私自身はその点で他の作品とは差を付けたかったです。面白さは間違いないですし決して作品に責任があるとも思いませんが、面白いのに少し残念だなぁというのが正直なところです。
第6位:リネイチャー
第6位はあらためて1年を振り返って、やはりこの作品は外せないな~と感じたこちらの作品です。ここ数年再び息を吹き返したかのごとく秀作を世に送り出している往年のデザイナーコンビ、クラマー&キースリングが、ドミノ系の作品をこのタイミングで発表したのは、あらためて原点回帰の面白さの追求を我々ボードゲーマーにアピールしているのかなと、そうしみじみ感じました。駒を取ってボードに配置することで点数が入る。このシンプルな現象がもつ面白さを今一度見つめ直そうではないかという巨匠のメッセージを、しっかりと受け取ったような気持ちになりました。システム良し!コンポーネント良し!難易度良し!の3拍子揃いの秀作ですね。
第7位:イッツァワンダフルワールド
第7位は今年度ドラフト系の作品としては久々に出色の仕上がりを見せたこちらの作品です。カードドラフトというシステムを採用しているせいか、一部でミニテラフォーミングマーズと言われているこちらの作品ですが、個人的には全く異なる作風だと感じました(まぁ似ているのはカードをドラフトする部分くらいでしょうか^^)。ゲームには2パターンがあって、各プレイヤーが狙うべき方向性があるものと、全く平等なものとがありますが、私自身の好みは断然後者でした(一緒にプレイした仲間は前者が好みだそう)。シンプルでありながら、計画性を問われる面白い作品でしたが、それにしても、もう少しましなタイトルは無かったものかと思います(笑)。
第8位:ロールケート
第8位は毎年恒例のライト枠。今年度はライトな作品に秀作が多かった年だと思うのですが、実はこの作品自体は昨年度発表の作品で、私自身某所で1回だけプレイさせて頂き、非常に面白いと感じて入手を試みたのですが、国内流通数が少なく、私自身長らく入手のタイミングが合わず、昨日ようやく入手できました。ということで実際のプレイはただの1回だけなのですが、その1回が本当に面白かった。あれだけ笑ったのも久しぶりだと思うくらい、印象に残った作品だったので選ばせてもらいました。内容は単純なサイコロバーストゲームなのですが、要所に面白い工夫がされていて、単純な中にもひっそりと面白さが隠れている良品だと思います。
第9位:ファミリーインク
第9位は最近上位にはなかなか顔を出せず、落ち目!?の感があるクニツィア博士の小品ともいえるこちらの作品です。博士の数多くの素晴らしい過去の作品の中には似たようなシステムで『チーキーモンキー』というものありましたが、私自身あまり好みではなかったので一度手放してしまいました。こちらの作品はそれに比べるとだいぶ良くなっている印象をうけましたので今回9位に選出しました。やはりシンプルなチップを袋から引く系の作品ですが、博士らしいジレンマが良く効いていて面白い作品に仕上がってます。個人的には一度差がつくと逆転が難しかったりする面もあるので、ハウスルールを採用するなど多少の工夫が必要かなとは思います。
第10位:モナステリウム
最後はやはり重ゲーを1つは入れたいといことで、今年プレイした中では一番面白かったこちらの作品を選んでみました。個人ボードがあって、発展形のシステムといえばまぁ外れはないだろうと思える内容ですが、非常にバランスも良く、練りに練られた作品という印象を受けました。教会に修道士を送り込んだり、ステンドグラスを全体的にテーマが地味で、華やかさに欠け、単にシステムに埋没してしまっていると言われたらその通りなのですが、重ゲーでは非常に重要なポイントともいえる、2時間というプレイ時間をとても短く感じるほど魅力的なパワーは内包している作品だと思うので、今後も機会があれば定期的にプレイしてみたいと思います。
さて、今年度はいつもの番外編は無しです。楽しみしていた方がおられたらすいません。
というよりもはやサイト自体が年1回更新で需要がないものと思われます^^
今回2020年度ということで、これは1つの区切りでもあり、この年間BEST10もひとまずはここまでとしたいと思います。
来年以降は私自身の気が向いたらふらっと再開するかもしれませんが、限りなく可能性は低いものと思っていただけたら幸いです。長い期間本当にありがとうございました。
第1位:ファイユム

第2位:ファーナス

第3位:パークス

第4位:ポイントサラダ

第5位:アルナックの失われし遺跡

第6位:リネイチャー

第7位:イッツァワンダフルワールド

第8位:ロールケート

第9位:ファミリーインク

第10位:モナステリウム

さて、今年度はいつもの番外編は無しです。楽しみしていた方がおられたらすいません。
というよりもはやサイト自体が年1回更新で需要がないものと思われます^^
今回2020年度ということで、これは1つの区切りでもあり、この年間BEST10もひとまずはここまでとしたいと思います。
来年以降は私自身の気が向いたらふらっと再開するかもしれませんが、限りなく可能性は低いものと思っていただけたら幸いです。長い期間本当にありがとうございました。