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     ここは新潟でボードゲームを楽しむ人達のための集会所です。

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 実に10ヵ月ぶりの更新!本年度はプライベートが忙しく、なかなかボードゲームを遊ぶ機会を設けるのに苦労した年でしたが、ようやく目ぼしい作品をを一通りプレイすることが出来ました。普段あまりプレイをしていないからか、今年はより「ドイツボードゲームらしい作品」が必然と上位に上がってきたように感じます。年間ドイツゲーム大賞が(エキスパート部門も含めて)完全に私の中で権威を失い、作品選定の指標となるものはかろうじてギークの評価や海外のサイトでの評判頼りとなってしまいましたが、それでも今年も満足いくセッションが多かったというか、なかなか機会に恵まれないことの良い点(!?)として、以前より「厳選して作品を遊ぶ」ようになってきたことが大きな特徴でした。それに応じて複数回同じ作品を遊ぶ機会も増えましたし、ボードゲームに触れるスタイルとしては自分の中では以前より健全になったと感じてます(笑)。来年あたりは、久々にNBGCの月例会を復活させられたら復活してみようかなとか、作品限定のゲーム会を開催してみようかなとか密かにプチ復活の算段を立てたりしてますが、なかなかどうして来年の話をすると鬼が笑うので、ボチボチのんびり行きたいと思ってます。それでは私自身の2014~2015のベスト作品を紹介いたします。感性が合う方、是非未プレイの作品があるようでしたらいずれもオススメですのでご堪能ください♪byタカハシ

第1位:ファイブトライブス~ナカラの魔人~

ナカラの魔人今年のBESTは色々と悩みましたが、前述のとおり、私の中で最もボードゲームらしさを感じたこちらの作品を選びました。アートワークやテーマ、雰囲気はもちろんシステムの豊かさ、毎回のセッションの多様性、リプレイ欲求の高さなど、総合的に非常に高い次元でまとまった作品でした。駒の動かし方がとてもパズルチックで、毎回の手番でのダウンタイムが少し気になるのが僅かなマイナス点でしたが、システム自体はかなりシンプルですので、弱点を補って余りあるほどプレイは楽しく、また同卓の方の評価も高い作品でした。これぞドイツゲーム!といえる作品だと思います。


第2位:マルコポーロの足跡

マルコポーロの足跡第2位も、名門ハンスイングリュックらしい王道ドイツゲームの重厚な作品をチョイスしてみました。ダイスを使用したワーカプレイスメントとしてはフェルドの『ボラボラ』に似た印象を受けますが、こちらの方が全体的によりシンプルなのに奥深さを感じさせる分、2番煎じにはならずより格上感を味あわせてもらえたのも高評価の理由です。各キャラクターの能力が結構個性的で、珍しくプレイヤー同士が公平ではないというシステムも斬新で、かなり特色の強い能力であるにもかかわらず、それが必ずしもゲームバランスを崩してはいないのが素晴らしいですね。それによってリプレイ欲求も非常に高めになってます。本年度の国際ゲーマーズ賞に輝いたのも納得の逸品です。


第3位:ロールフォーザギャラクシー

ロールフォーザギャラクシー第3位は名作カードゲーム『レースフォーザギャラクシー』のダイスリメイク。元の作品の中毒性を上手く移植できたのが良かったと思います。個人的には長い期間この作品が今年度のBESTだと仲間内には公言しておりましたが、最終的に第3位まで後退した理由は、もちろん上位2作品が素晴らしかったのもありますけど、やはり「元の作品を知っているか」と「(アイコン認識等も含め)最初のプレイの敷居の高さ」という部分がどうしても気になったからです。ゲームは必ずしも自分だけが楽しくても良いセッションには繋がらず、そういう意味で上位2作品との差を感じてしまいました。


第4位:デウス

デウス第4位はこれは今年の掘り出し物だったというか、かなり繰り返し遊ばせていただいたという意味でチョイスしてみました。基本的にはカードゲームに近いのですが、ボードの陣取りなどと非常にうまく組み合わされており、またちょうど良いタイミングでゲームが収束に向かう感じとか、何度もテストプレイを繰り返してこられたんだろうなぁと感じさせられた点が凄く良かったです。慣れてくるに従い、ある程度の定跡や効果的なプレイ、狙うべきカードなどが分かってくるのも面白い反面、やればやるほど初心者との差が広がってしまうというジレンマとの戦いも発生してしまいますね^^;


第5位:アクアスフィア

アクアスフィア第5位はフェルドの新作。今年も安定して面白い作品を提供してくれましたが、突き抜けた面白さとまではいかずこの順位に(それでも充分上位だとは思いますけど^^;)。またこの作品に関してはテーマが少し謎だったのもマイナスポイントでした。何故海底研究施設で大ダコと戦うなんてテーマを選んだのでしょうか(笑)?その辺のテーマとの親和性が乏しく、なかなかどっぷりとゲームの世界に入り込めなかったのが残念で、むしろ宇宙ステーションでエイリアンと戦うとかでも良かったのでは?と感じたりもしました。システム自体は納得の面白さで、作品自体はほぼ文句なしの完成度なだけに、そういうシステムとは別の部分での不満点がとても残念に感じられました。


第6位:狂王ルードヴィッヒの城

狂王ルードヴィッヒの城第6位はこれは逆にテーマとシステムとの融合が見事だったというか、ビジュアル面も含めてアートワークが実に素晴らしかった作品です。昨年よくぞ日本語化してくれた大賞に選んだ『シティビルダー』のリメイクですが、こちらは街ではなく城を作るので、自分だけではなく他のプレイヤーが作る城を眺めるだけでも楽しいです。コンポーネントの作品に対する影響をあらためて強く感じさせられました。ちなみにこちらも日本語版が発売されましたが、タイトルが『ノイシュヴァンシュタイン城』となっているのはとても残念でした。『狂王~』の方が断然センスがあって良いですね!


第7位:カンバン

カンバン第7位はこれまた非常に重厚な作品をチョイス。ルール説明だけでも1時間近くかかる作品だけに、ちょっとプレイする前に心が折れそうになりますが、頑張ってそこを乗り越えれば素晴らしいユーロゲームを楽しめる時間がやってきます。車工場をテーマに、ワーカプレイスメントシステムにおける駒配置に制限を課すという『エジツィア』に似たシステムが上手くテーマとマッチしていて、慣れればサクサクプレイできるのも良かったです。その分前述のとおりルール説明に長時間を要するなど、少し余分な贅肉が付き過ぎた作品だったのかもしれません。


第8位:よくばりハムスター

よくばりハムスター第8位は毎年気に入ったカードゲームを1つはチョイスしてみたいということで、今年はこちらの作品を選んでみました。ルールがシンプルで分かりやすく、誰でも気軽に楽しめる。プレイ時間もインストを含めて短めというお手軽さがカードゲームの魅力だとすれば、まさにこちらの作品がそれに該当する作品だといえるでしょう。結構個人攻撃が主体となっているシステムの割には、ハムスターのカワイイ絵柄もあってか全体的にほんわかしてますし、なんだかんだで毎回接戦になるという部分も、はじめてプレイする人も熟練者も同じように勝つチャンスがあるという点で、長いゲームとゲームの合間に持ち出しやすかったのも好印象でした。


第9位:オロンゴ

オロンゴ第9位はクニツィア博士会心の一作!とはなれなかったこちらの作品を選んでみました。システムは天才デザイナーの面目躍如といえる素晴らしいものでした。が、一方でコンポーネントは過去類を見ないくらい酷いものでした。どんなに作品が素晴らしくても、コンポーネントが悪いとここまで印象が悪くなるんだなぁという見本のような作品でした。もしコンポーネントがある程度まともでしたら恐らく今年のTOP3には入りました。無駄にコンポーネントを工夫しているがゆえに値段も高くなり、プレイアビリティも激減させている。まさに老舗ラベンズバーガー痛恨の失態と言えるでしょう。


第10位:ブルームサービス

ブルームサービスラストはランキングに入れるかどうか迷ったのですが、黒ポーンに輝いたこちらの作品を選んでみました。傑作カードゲーム『魔法にかかったみたい』のボードゲームリメイクでしたが、あえてボードゲームにしたことによって何か特別な魅力が増したかと言われると個人的には微妙な感じがしたのがさほど高い評価を与えられなかった理由で、もちろんシステムがしっかりとしている分作品自体は決して悪いものではないのですが、どうしてもボードゲーム化しなければならなかったのかはやはり疑問でした。一応ボードゲーム化することで複雑化してはいるので、良くも悪くも思考作業が増えるのはフリークには評価が上がるポイントなのかもしれませんね。


☆番外編:勝手に2人用ゲ-ム大賞☆

パッチワーク

パッチワーク普段ゲーム会とかでのセッションが多いと、なかなか2人用ゲームを遊ぶ機会は少ないかもしれませんが、逆にプライべートでのセッションが増えると2人用ゲームの登場頻度は多くなるかもしれませんね。今年のBESTは文句なしでこちらの作品でしょう。テーマとアートワークが可愛くコミカルな点が女性にもオススメで、カップルや夫婦でのプレイにもうってつけです。日本語版も発売されましたが、言語依存が全くないのも特徴で、誰でも気軽にプレイしやすいのも魅力です。シンプルなシステムにもかかわらず、それでいて結構しっかりとした戦略を求められたりする部分も奥深さを演出しており、群を抜いた面白さがありました。


☆番外編その2:勝手に国産ゲーム大賞☆

該当なし

東京男爵2すみません、今年も国産ゲームを遊ぶ機会にはほとんど恵まれなかったので、本年度も心の琴線に触れる作品はなかったものとさせていただきます。ちなみに一時期話題になった『枯山水』ですが、個人的には(ボードゲームとしては)全く評価しておりません。あれは「箱庭」を作る楽しさを追求したもので、私とは目指す路線が違いすぎました。右の写真は名古屋EJF時代の思い出の作品『東京男爵』の第2版です。今年購入した国産ゲームはこれだけでした(笑)。


☆番外編その3:よくぞ日本語化してくれたで賞☆

カヴェルナ

カヴェルナ(日本語版)本来ならば昨年のBEST10にランクインすべきであったこちらの作品は、ようやく1年越しで日本語化され、今年結構ヘビロテで遊ばせていただきました。傑作『アグリコラ』の正統なリメイク作品で、今や元祖を凌ぐ評価を受けているこちらの作品。『アグリコラ』が拡張等も含めてもはや行き着くところまで行ってしまったのに対して、こちらは初期配置のカード運が無い分ある意味全プレイヤーが平等にプレイできるのが良いですね。「ドワーフ」というテーマも私の好みで、今後は暫くこちらが定番化しそうです。日本語化に伴ってコンポーネントの豪華さも相まってか非常に高価な作品となってしまったのが残念ですが、クリスマスにデジタルゲームをプレゼントするよりかは、『カヴェルナ』をプレゼントするような文化に早く日本もなって欲しいものです。