最近更新頻度がめっさ遅いNBGCですが、今回はもう他所様で散々語りつくされてきた感のある「インスト」の話をしたいと思います。
ここでいう「インスト」とは「インストール」でも「インストゥルメンタル」でもなく「インストラクト」の略で、ボードゲームではセッションを始める際に「ルールの説明を行うこと」を意味します。「インスト」はセッションの導入の重要な部分であり、大抵はその作品を遊んだことのある経験者か、あるいはインスト慣れしているベテランがその任に付くケースが多いと言えます。
また、当然「ルールの説明」である以上、ここで重要視されるのは
1.正しいルールを正確に伝えること
2.それが参加者にきちんと伝わること
の2点に集約されるのは容易に想像がつくことでしょう。ただし、ここにおける方法論などはもうさんざん語りつくされてきた部分でもありますので、今回はあえてその辺には触れません。しかしながら、私は仮に上記の条件を完璧にこなすインストラクターがいたとして、はたしてそれが100点満点のインストなのかというと、必ずしもそうではないケースが結構あるのではないか?という疑問を抱いてます。
つまり何が言いたいかというと、私の中では「インスト」という行為は
「ルールを説明すること」
ではなく
「面白さを説明すること」
だと考えているわけです。
もちろん、ある種一定のルールに従った「ボードゲーム」を遊ぶわけですから、「ルールの説明」が大事ではないとは言いません。それがきちんと理解できなければまっとうなセッションが成立しない可能性だってあるわけですから、それまでの色々な方法論を駆使して、正しくルールを説明することの重要性を否定するわけではもちろんありません。
がしかし、「インストラクト」という言葉の本来の定義にしたがえば、それは単なる作品への「案内役」ではなく、「いかに参加者にその作品に興味を持ってもらえるか」を最重要の課題として認識すべきであって、いくら正確に、間違わずに、わかりやすくルールを説明したとしても、それが参加者にとって「楽しいインスト」でなければ、必ずしも満点のインストとは呼べないのではないでしょうか。
私個人も、ゲームサークルを主宰したりしている都合上、インスト役を担うケースが多いのですが、その一方で他の方のインストを受けるケースも非常に多いです。そしてその経験則からいうと、インストの段階から楽しいセッションは、ほぼ間違いなく楽しいセッションになるということ。逆にいくら上手にルールの説明をされる方でも、それが単なる事務作業的なもので、そこから作品の面白さがなかなか伝わってこないようなインストの時は、セッション自体もあまり盛り上がらないことが多いような気がします。
ただし、人それぞれ求めているものは違うわけですから、「インストにそこまで求めてなんかいねぇよ」という方もいらっしゃることは事実で、実際私自身もそういう意味で過去に失敗したケースもあります。その時はインストを受ける側だったのですが、インストをされた方が知り合いだったこともあり、必要以上に盛り上げすぎてしまって、「もっと静かにルール説明を聞きましょう」と注意されたこともありました。その結果、すぐに謝罪したのですが場が一気に重い雰囲気になってしまい、その注意をされた方にもばつが悪い思いをさせてしまった負の思い出があります。
また、実際に中身が面白い作品に関しては、「ルールの説明自体が魅力的」な部分もあって、余計な演出がかえって邪魔になることもあるでしょう。じっくりとルールの説明を受け、頭の中でこれから先起こりうる現象をイメージしながら、静かに闘志を燃やすなんてシチュエーションは確かに魅力的で、それを過剰な演出で台無しにしてしまっては元もこうもありません。
しかしながら、それでもやはり私はインストは「楽しく」あるべきだと思います。
インストラクターには、「ルールの説明」よりもなによりも、「その作品がどれだけ面白いか」をアピールして欲しいですし、参加者の皆さんにも、できれば楽しい雰囲気でゲームをスタートさせてもらいたいです。
当たり前ですが「楽しさ」の基準はまちまちですし、「楽しいインストのコツ」なんてのも上手く口で説明できるものではありませんけど(私自身インストが上手いわけではありませんしね)、少なくてもインスト役の方には「その作品の魅力を(ルール説明という作業を通じて)伝える」義務があるのではないでしょうか。
例えば、ゲームの世界設定や、目的を面白おかしく説明したり、(ボードゲーム特有の)不条理な設定に突っ込みを入れてみたり、私なんかが良くやるのは、プレイヤーが何らかのペナルティを喰らうシチュエーションなどは大げさに表現して、参加者の注意を引きつけるなんてことをしたりします。説明書を単なる「ルールブック」だとは思わず、「台本」として捉えてみると、より一層楽しいインストができるかもしれません。
あとは、コンポーネントに対するオモシロコメントをするというのも有効だと思います。美しいボードやカード、コマなどを褒めたり、コミカルなイラストには独特の突込みを入れたりとか、それだけで参加者がぐっとその作品の世界観に迫れたりすることがあります。
いずれにせよ、インストの時間はゲーム開始前の非常に重要な時間で、その中で私の過去の経験則からすれば(失敗談も含めて)、そこで楽しい雰囲気を作れるかどうかで、そのセッションが成功するかどうかが決まるといっても良い大事なイベントだと思ってます。
是非、普段インスト役を担うケースが多い方には、「ルールの中身」もさることながら、「その作品の面白さ」をいかに伝えるかに関して、可能な限り苦心していただきたいです。「インストを聞いただけで作品に興味が出た」とか、「あの人のインストの時は面白い」とまで言われれば、インストラクター冥利に尽きるというもの。その域に達するのははなはだ困難な道のりですが、「面白さを伝えようという意識を持ってインストする」かどうかの違いでも、かなりセッションに与える影響は変わってくると思います。
「楽しいインストしてますか?」
本当に、インストは奥が深いですね・・・^^;byタカハシ
※テストプレイ時のインストとかである場合は、むしろ正確にゲームの機能性や中身を確かめるという意味で、無駄な演出を省いたインストが好まれるケースもあります。このようにインストに求められるものは時と場合で色々と変化することがありますので、その中で最適項を見つけられるようになりたいものです(願望)。
ここでいう「インスト」とは「インストール」でも「インストゥルメンタル」でもなく「インストラクト」の略で、ボードゲームではセッションを始める際に「ルールの説明を行うこと」を意味します。「インスト」はセッションの導入の重要な部分であり、大抵はその作品を遊んだことのある経験者か、あるいはインスト慣れしているベテランがその任に付くケースが多いと言えます。
また、当然「ルールの説明」である以上、ここで重要視されるのは
1.正しいルールを正確に伝えること
2.それが参加者にきちんと伝わること
の2点に集約されるのは容易に想像がつくことでしょう。ただし、ここにおける方法論などはもうさんざん語りつくされてきた部分でもありますので、今回はあえてその辺には触れません。しかしながら、私は仮に上記の条件を完璧にこなすインストラクターがいたとして、はたしてそれが100点満点のインストなのかというと、必ずしもそうではないケースが結構あるのではないか?という疑問を抱いてます。
つまり何が言いたいかというと、私の中では「インスト」という行為は
「ルールを説明すること」
ではなく
「面白さを説明すること」
だと考えているわけです。
もちろん、ある種一定のルールに従った「ボードゲーム」を遊ぶわけですから、「ルールの説明」が大事ではないとは言いません。それがきちんと理解できなければまっとうなセッションが成立しない可能性だってあるわけですから、それまでの色々な方法論を駆使して、正しくルールを説明することの重要性を否定するわけではもちろんありません。
がしかし、「インストラクト」という言葉の本来の定義にしたがえば、それは単なる作品への「案内役」ではなく、「いかに参加者にその作品に興味を持ってもらえるか」を最重要の課題として認識すべきであって、いくら正確に、間違わずに、わかりやすくルールを説明したとしても、それが参加者にとって「楽しいインスト」でなければ、必ずしも満点のインストとは呼べないのではないでしょうか。
私個人も、ゲームサークルを主宰したりしている都合上、インスト役を担うケースが多いのですが、その一方で他の方のインストを受けるケースも非常に多いです。そしてその経験則からいうと、インストの段階から楽しいセッションは、ほぼ間違いなく楽しいセッションになるということ。逆にいくら上手にルールの説明をされる方でも、それが単なる事務作業的なもので、そこから作品の面白さがなかなか伝わってこないようなインストの時は、セッション自体もあまり盛り上がらないことが多いような気がします。
ただし、人それぞれ求めているものは違うわけですから、「インストにそこまで求めてなんかいねぇよ」という方もいらっしゃることは事実で、実際私自身もそういう意味で過去に失敗したケースもあります。その時はインストを受ける側だったのですが、インストをされた方が知り合いだったこともあり、必要以上に盛り上げすぎてしまって、「もっと静かにルール説明を聞きましょう」と注意されたこともありました。その結果、すぐに謝罪したのですが場が一気に重い雰囲気になってしまい、その注意をされた方にもばつが悪い思いをさせてしまった負の思い出があります。
また、実際に中身が面白い作品に関しては、「ルールの説明自体が魅力的」な部分もあって、余計な演出がかえって邪魔になることもあるでしょう。じっくりとルールの説明を受け、頭の中でこれから先起こりうる現象をイメージしながら、静かに闘志を燃やすなんてシチュエーションは確かに魅力的で、それを過剰な演出で台無しにしてしまっては元もこうもありません。
しかしながら、それでもやはり私はインストは「楽しく」あるべきだと思います。
インストラクターには、「ルールの説明」よりもなによりも、「その作品がどれだけ面白いか」をアピールして欲しいですし、参加者の皆さんにも、できれば楽しい雰囲気でゲームをスタートさせてもらいたいです。
当たり前ですが「楽しさ」の基準はまちまちですし、「楽しいインストのコツ」なんてのも上手く口で説明できるものではありませんけど(私自身インストが上手いわけではありませんしね)、少なくてもインスト役の方には「その作品の魅力を(ルール説明という作業を通じて)伝える」義務があるのではないでしょうか。
例えば、ゲームの世界設定や、目的を面白おかしく説明したり、(ボードゲーム特有の)不条理な設定に突っ込みを入れてみたり、私なんかが良くやるのは、プレイヤーが何らかのペナルティを喰らうシチュエーションなどは大げさに表現して、参加者の注意を引きつけるなんてことをしたりします。説明書を単なる「ルールブック」だとは思わず、「台本」として捉えてみると、より一層楽しいインストができるかもしれません。
あとは、コンポーネントに対するオモシロコメントをするというのも有効だと思います。美しいボードやカード、コマなどを褒めたり、コミカルなイラストには独特の突込みを入れたりとか、それだけで参加者がぐっとその作品の世界観に迫れたりすることがあります。
いずれにせよ、インストの時間はゲーム開始前の非常に重要な時間で、その中で私の過去の経験則からすれば(失敗談も含めて)、そこで楽しい雰囲気を作れるかどうかで、そのセッションが成功するかどうかが決まるといっても良い大事なイベントだと思ってます。
是非、普段インスト役を担うケースが多い方には、「ルールの中身」もさることながら、「その作品の面白さ」をいかに伝えるかに関して、可能な限り苦心していただきたいです。「インストを聞いただけで作品に興味が出た」とか、「あの人のインストの時は面白い」とまで言われれば、インストラクター冥利に尽きるというもの。その域に達するのははなはだ困難な道のりですが、「面白さを伝えようという意識を持ってインストする」かどうかの違いでも、かなりセッションに与える影響は変わってくると思います。
「楽しいインストしてますか?」
本当に、インストは奥が深いですね・・・^^;byタカハシ
※テストプレイ時のインストとかである場合は、むしろ正確にゲームの機能性や中身を確かめるという意味で、無駄な演出を省いたインストが好まれるケースもあります。このようにインストに求められるものは時と場合で色々と変化することがありますので、その中で最適項を見つけられるようになりたいものです(願望)。