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     ここは新潟でボードゲームを楽しむ人達のための集会所です。

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現時点でのゲーム会の予定は下記のとおりです。もし希望があればこれら以外にも特例会などを行うことも検討しております。

NBGCの月例会はお休みです。

※次回の開催は12月下旬の予定です。

1月8日(日):OASE新潟1月例会

場所:万代市民会館(13:00~)注意!時間変更アリ
参加費:300円(初回、小中学生は無料)
詳細:こちら

是非皆様の御参加をお待ちしております。
 クリスマスウィ-クエンドとなった先週の日曜日。午前中にプライベ-トの用事が入るも、午後は空いていたので、2ヶ月ぶりに新潟県央ボ-ドゲ-ム会さんの月例会へ参加してきました。会場に到着すると既に午前中組が熱戦を繰り広げておられたのでしばし見学。昼食休憩をはさんで午後1のセッションから参加させていただきました。

マンハッタン

1.マンハッタン

 まずは『マンハッタン』から。もう一方の卓は、午前中に人数の関係でル-ルインストの段階でペンディング中だったという『ランカスタ-』でしたから、せっかくインストしたということでそちらはそのままのメンバ-が卓につき、こちらは残っていたメンバ-2人と相談して、こちらの作品をチョイスしてみました。

 久々にプレイするのに、ル-ルは全然忘れないくらいシンプルなこちらの作品。しかしそれでいながら年間ドイツゲ-ム賞に輝いたその実力は20年近くたった今も色褪せません。後に『プエルトリコ』を世に放つザイファルトの初期の名作ですから、何気に良い作品をチョイスしたと思います。

 この作品の唯一の問題点といえるのが、手番順の有利不利です。基本フリ-置きの陣取りなので、後手番有利なのと、時計回りにスタ-トプレイヤ-が移動するので、最終局面で先手番ですとかなり不利な状況が生まれます。また、特定のプレイヤ-がリ-ドした場合は、残りのプレイヤ-である程度そのプレイヤ-を潰していかないと逆転が難しいのも人によってはバランスが悪いと考える方もいらっしゃるかもしれません。

 ということで、私以外の方はいずれも初プレイだということでしたから、この辺はインストの段階で軽く説明しました。「手番順によってそのラウンドに使用するビルの高さを調整するのは良い作戦です」くらいは説明したかと思います。

 さて、実際のセッションは何気にカ-ドが偏る感じ^^;他のプレイヤ-を妨害したくても思うようにいかない局面が続きます。いち早く世界一高いビルの独占に成功したプレイヤ-が序盤から大きくリ-ド。とりあえずこれでタ-ゲットはロックオンです(笑)。

 終盤世界一高いビルを奪回したり、もう一人のプレイヤ-と協力してトップを執拗にマ-クしながら猛追を図りますが、どうも僅かに届かない感じ。これは上手く逃げ切られましたねと感心していたら、最終ラウンドに何故か私以外の両名で猛烈な叩き合いが始まって雲行きが怪しくなってきます。

 結局セッション後に悔んでおられたように、その時点で2位の私を叩くべきところ、最下位プレイヤ-と叩き合ったのがやはり直接的な敗因につながってしまい、なんと私が1点差で大逆転勝利を収めてしまいました。

 ということで、劇的なクライマックスに盛り上がったわけですが、私自身、自分が逆転で勝利したことよりも、なんとも悔しい結果になってしまった方に「いやぁこの作品面白いですね~!」と喜んでもらえたことの方が嬉しかったです。こういう良いセッションができたときは、この趣味を続けていて良かったと心から思います。

トランスヨ-ロッパ

2.トランスヨーロッパ

 続いては『マンハッタン』のセッション中に数名会場にいらっしゃったので、この時点でまだ『ランカスタ-』は時間がかかりそうということでしたから、残った5人で時間調整に『トランスヨ-ロッパ』をプレイすることに。何気に(姉妹品の『トランスアメリカ』を含めて)初プレイという方が多かったのと、あくまでも時間調整が目的ということで、拡張ル-ルは採用しないことに。しかし、これはあとでよくよく考えてみたら微妙な選択だったかもしれませんね><

 こちらの『トランスヨ-ロッパ』は、もともとの『トランスアメリカ』に比べて、山岳や河川の2重線路が多く、また各色の目的地カ-ドも位置が広範囲に分かれているのが特徴で、多人数プレイですとかなり目的地の引きゲ-に近い感じになるのですが、2重路線が多いからこそ拡張ル-ルが生きる面もあったかなぁ~と少し後悔しました。

 この作品。最初にプレイするときは、たぶんいずれのプレイヤ-もコツを掴もうとする以前に、どうしても線路の接続を優先してしまいがちですが、慣れてくると「自分が引かなくても(繋がなくても)、相手が繋いでくれる」という感覚や、「将来つながった場合に相手が有利になるか、自分が有利になるかの取捨選択」が思考に入ってきますので、それなりにゲ-マ-でも楽しめるようにはなります(あくまでも「それなりに」ではありますが^^;)。

 結局今回はカ-ドの引きは最悪でしたが、繋いでくれたタイミング、線路が伸びた方向がスゴク良い感じに私に有利に働いたので、結局3戦中2回も一番にあがることができた私が勝利。ちょうど『ランカスタ-』の方も決着がつきそうでしたので、良い感じで時間調整になったようでした(笑)。

メキシカ

3.メキシカ

 続いては再度卓分けをして、こちらは4人で往年の「怖い顔シリ-ズ3部作」から『メキシカ』をプレイすることに。年間ドイツゲ-ム賞(サイコロマ-クとのダブルクラウン込み)に輝いた『ティカル』。重厚かつ魅力的なシステムでフリ-クを魅了した『ジャワ』。そしてこの『メキシカ』と、いずれも当時としては最新の「アクションポイントシステム」を搭載した素晴らしいこの3部作は、今なお遊びつがれる名作中の名作ですね。

 ちなみに私自身の好みからいえば、『ジャワ』→『ティカル』→『メキシカ』の順なので、あくまでも『メキシカ』に関しては3番手の作品なのですが、前述のとおり3番手云々よりもこのシリ-ズ全体のレベルが非常に高いので、当然『メキシカ』に関しては誘われたらまず間違いなくプレイする作品といえます。

 また、少しパズルチックな面が強い一方で、シリ-ズ全体を通じてみれば一番システムがシンプルではないかと思われるこちらの作品は、場合によっては一番面白いと評価する人もいるくらい(私の友人もその一人)なので、今回久々のセッションの機会が到来したことはとても興奮しました。

 さて、実際にプレイしてみると「あ~この感じこの感じ」とプレイ感覚を思い出しながらの手番進行は本当に楽しいですね。「アクションポイントシステム」は少しダウンタイムが長くなる傾向があるのですが、この作品に関してはかなり見通しが効くので、ダウンタイムの最中にも色々と作戦を練れる点と、かなり他のプレイヤ-を牽制する動きが多いので、他人のプレイを見ていても飽きないのが素晴らしいですね(笑)。

 終盤。私の後ろに駒を置いて私自身を身動き取れないようにした方がおられたので、仕方なくその領域を大量得点のチャンスがあるエリアにして逆転を狙うことにしたのですが、これが大きな勝負の分かれ目で、その時点で私以外の誰がそのエリアに参入してくるかで勝負が決まる展開となりました。

 ここであるプレイヤ-が、私自身をトップとみるか、他のプレイヤ-をトップとみるかの選択となり、私自身の助言(「もし私を叩きたいのでしたら、(私自身のTOPが確定している)その巨大エリアに参入するよりも、他の高得点エリアで私を2位以下に落とした方が得点効率は上ですね」)に乗っかってしまい、結局その巨大エリアにはその時点で私とトップ争いをしていたプレイヤ-に入られ、どうもここで逆転を許したようです。

 最後は再逆転へ向けて色々と思考するも、貯めこんだ追加アクションチップを全部消費しても、どうにも1アクション足りません><結局その1手の差で再逆転できず(あと1手あったらちょうど1点差で逆転でした)、最後の最後で届きませんでした。

 しかしながら、久々の『メキシカ』でここまでの熱戦ができたのは、非常に満足度の高いセッションでしたね。『ティカル』&『ジャワ』に関しても、これは久々に棚から引っ張り出したい衝動に駆られました。結構悩ましい陣取りで頭脳を酷使したので他の方たちはだいぶお疲れのようでしたが、私はすぐにでも再戦したいくらいでしたよ(笑)^^

ホ-ムステッダ-ズ

4.ホームステッダーズ

 締めは最近周りで面白いと評判だった『ホ-ムステッダ-ズ』をようやく初プレイさせていただくことに。第2版が発売されたことで、最悪ともいえるコンポ-ネントが改善されたらしく、何故か同一会場内に存在していた初版の中身を確認させていただいたのですが、確かにこの初版は酷いですね・・・ボードが歪んでる^^;シュリンク状態の未開封品としてコレクタ-アイテムとして評価するならまだしも、そうでないなら第2版の方がかなり価値は高そうです(初版の牛の駒には目が書かれているのはチャ-ミングですけどね^^;)。

 さて、今回は私ともう一方が初プレイ。もうお二人は何度目かのプレイということで、最初にタイル一覧表を配られたのですが、さすがに小1時間ほど時間をいただけるのであれば色々考えますが、初プレイでそこまで研究するのもあれなので、基本ル-ルを聞いた後はとりあえず大まかな勝利得点ラインを教えていただいてゲ-ムスタ-ト。

 オ-ソドックスな拡大再生産と、いわゆる「ところてん式の競り」がメインのこちらの作品。確かに巷で評判になるほどの練りこまれたシステムは、初プレイでも様々な戦略性が感じられる素晴らしい仕様でしたが、単純に手放しでこの作品を評価できるかに関しては、私は少し疑問を感じました。

 というのも、まず手番数が少ないので、拡大再生産特有の序盤から失敗が許されない綱渡り感が強烈なのと、途中で路線を変更するのがかなり難しいシステムデザインは、プレイヤ-の選択幅をかなり狭めているようで、これはこれで1つのプレイ感なのだろうとは認識しましたが、好みは分かれるだろうなぁと感じました。

 あと、ところどころに強力なタイルがあるので、それらのタイルをキ-としながら、下手したらゴ-ルから逆算してまである程度の計画性を練る必要性に迫られる感じは、まず何度も繰り返し遊ぶことを前提としていて、経験者と初心者の同卓でのセッションをちょっと困難にし過ぎている感がありました。

 しかし、この強制的なリプレイを受け入れることができるメンバ-に恵まれて、また全員が同時に熟練度を高められる環境下にあれば、これはかなり面白い作品になるのではないでしょうか(思えば『レ-スフォ-ザギャラクシ-』なんかもこのタイプですね)?まず1回しか作品をプレイしないような方には、恐らく面白さの半分も伝わらない作品だと思います。

 実際のセッションは、経験者の方に序盤から中盤に環境を整備されてしまい、その時点でほぼ逆転不可能が確定して、それ以降は傍観者確定な感じでした。しかもそれ以降は私自身そのトッププレイヤ-以外の方にはちょっかいを出さないプレ-を最後まで貫きましたが、何故か逆に他のプレイヤ-に叩かれて良いとこなしでジ・エンド。かなりこの作品に慣れ親しんでこないと(このシステムでは)この辺のマルチ感は出せないのかなぁ~と思った時点で、既にある「ところてん式競り」をメインとした『アメン・ラ-』や、何故か最近新版再販が決まった『エボ』には、もしかしたら及ばない作品なのかなとも。

 とにかく、綿密な計画性による拡大再生産のサバイバルレ-ス。一見「競り」というインタラクション性を生かしているように見えますが、一度差が付くとかなり一方的になるので、その辺を踏まえたプレイヤ-の熟練度を問われるシステムは、フリ-クであるならばまず間違いなく挑戦すべき作品といえますが、一般向けとしてはかなり難しい位置づけといえるでしょうね。まずは「何度も同じ面子で繰り返し遊ぶこと」。これが必須条件ですね。


 ということで、ゲ-ム会自体はまだ続くようでしたがここで私はおいとますることに。恐らくはこのゲ-ム会でのセッションが今年のゲ-ム納めになるんじゃないかなと。今のところ年末年始でボ-ドゲ-ム会を開く予定はないので、次は来年早々にあるOASEさんの月例会かな?今年も1年お疲れ様でした。皆さん良いお年をお迎えくださいね。byタカハシ
 先週の日曜日はNBGCの第56回目の月例会でした。週中にドカッと雪が降ったこともあってか、この日も天候悪し><、年末で皆さん忙しかったのか、参加者は僅かに3名という寂しいゲ-ム会。それでも、少ない人数だからこそゲ-ムを集中して遊べる良い月例会でした。

<この日の参加者の皆様>
安達さん、笠谷さん、野田さん

nbgc準備

オセロ革命

1.オセロ革命

 まずは、人数が揃うまで安達さんと2人で『オセロ革命』をプレイ。先日トイざらすにふらっと立ち寄った際に思わず購入してしまったこちらの作品。以前当ブログでも紹介したのを覚えてくれている方はおられるでしょうか?通常の『オセロ』の盤面が動くという、画期的な新システムを搭載した全く新しい『オセロ』です。

 従来の『オセロ』に関しては、もう既にかなり深い部分まで定跡手が存在しており、また独特のコツを理解しているかどうかでかなりのハンデが存在したのですが、この新しい『オセロ革命』に関しては、その定跡をほとんど無にするような摩訶不思議な動きをするので、今までにないとても新鮮な体験が味わえます。

 しかし、その一方で、やはり先の先まで読む力というのは従来の『オセロ』以上にプレイヤ-に依存しているんじゃないかなとも感じました。単純に手番に2度タイルを返すチャンスがあるので、かなりダイナミックな盤面変化が発生するため、一見して先読みの必要性を疑ってしまう部分もあるのですが、最終局面付近ではやはり読み勝ちする部分は大きかったです。

 今回のセッションは安達さんが序盤から角を狙う&1つのタイルを全て自分の色に揃える作戦を実行。この作戦は悪くないのですが(というよりも有力手)、やはり相手に悟られていては効果が半減。次にここに打ってくるだろうなぁというのが丸代わりですと、やはりこの手のアブストラクトは勝てません^^;

 そんな中、終盤に安達さんに決め手の有力手が発生するも、その時点でほぼ私の勝利は確定。盤面真っ黒だった局面は一気に半分以上白くなり、そこそこの差で白番の私が勝利しました。安達さんは角や外ラインを押さえるという従来の必勝パタ-ンに拘りすぎたのが敗因でしたね^^;

 さて、感想ですけど、これ難しいところですね。新要素の「動くタイル」に関しては、逆転要素が増える部分は面白いと思いますが、手番での思考が複雑になりすぎるので長考必至な部分は大きなマイナス点かもしれません。どちらかというと、新要素抜きでの「虫食いオセロ」の方が面白そうだったりしました(笑)。

勝利:タカハシ 敗北:安達 (敬称略)

ガイツェン:安達さん持込み

2.ガイツェン

 続いては、安達さん持込みの『ガイツェン』をプレイ。何とダイスタワ-がそのまま外箱になっているという変わり種のこちらの作品。個人的にダイスタワ-があまり好きではないので(どちらかといえばダイストレイ派ですw)、ギミックはとても面白いとは思うのですが、ゲーム自体にはさほど興味をそそられません^^;

 さて、実際にル-ルを聞くと、これまた申し訳ないですが劣化『ギャンブラ-(テンプテ-ション)』ともいえる単純なものでしたので、まぁとりあえず3人ですので早く終わるでしょうから、というオススメに従いプレイ開始。

 サイコロの目に従いチップを並べていって、ある一定量に達した場合プレイヤ-が並んでいるチップを総取りするというシステムは、自分が総取りできない場合は即座に下家のプレイヤ-の大チャンスになってしまうということで、ハイ、私が何が言いたいかと申しますと、ズバリ「席順」超重要っす(爆)!!

 確率8割・9割を落としてくれる野田さんの下家バンザイ^^;ということで、棚ボタ勝利も良いとこの圧勝でした。この作品に関しては、この手軽さとダイスタワ-というコンポ-ネントが売りだと思うので、これはこれで良いのでしょうね^^;

 ※ちなみにですが、このダイスタワ-は中身の構造が、それほどダイス目にランダム性を発生させるかどうか疑問に思う単純なものでしたので、タワ-にダイスを入れる際には、手の中で良く振ってから入れた方が良いのかもしれませんね(あんまダイスタワ-の意味ない感じですけど^^;)。

1位:タカハシ 2位:安達 3位:野田 (敬称略)

乗車券北欧

3.乗車券北欧

 続いては久々に『乗車券北欧』をプレイ。この日の隠しテ-マは、実は「雪・氷に関するゲ-ム」だったので、雰囲気は満点でした。

 この『乗車券北欧』は、ゲ-ム性に関しては平均レベルだと思いますが、コンポ-ネントに関してはとにかく雰囲気ありますよね。雪化粧した列車カ-ドが美しすぎます(特に機関車)。

 さて、実際のセッションは、最初のチケット選択で長距離路線2本を選択するという初めての作戦を選択してみたのですが、安達さんの1手目で大きく路線を回す必要性が発生し、暗雲立ち込める展開に・・・><

 終盤なんとかチケットを完成させるも、効率良くチケットカ-ドを引き当てていた野田さんの豪運に、僅かに届かず惜敗。先ほどの『ガイツェン』で吸い取った運をそのままお返しする感じでしたね^^;

1位=98点:野田 2位=96点:タカハシ 3位=56点:安達 (敬称略)

ル-ンエイジ:安達さん持込み

4.ルーンエイジ

 昼食後は安達さん御自身の持込みリクエスト第2弾ということで、『ル-ンエイジ(完全日本語版)』をプレイすることに。私自身は全員殴り合いのシナリオ希望だったのですが、まだやったことないのでとうことで、今回は「塔を建てる」というシナリオを選択することに。

 このシナリオは、ある一定数の所持金を最初に揃えたプレイヤ-が勝利するという単純なもの。基本的にプレイヤ-同士のライフを削り合う叩き合いはないので、これは早くに決着するシナリオなのかなと思ってましたが、意外にかかりましたね^^;

 今回はランダムに私がエルフ(またかい^^;)、安達さんがビ-スト、野田さんがアンデットを担当することに。そしてまずエルフに関して超ド級のエラッタに驚愕^^;もし完全日本語版を謳うのであれば、申し訳ないですけどメ-カ-さんは自身のエラッタミスに関しては責任を持つべきですね。これじゃあまりにも酷過ぎます・・・><

 さて、例によってエルフは序盤の影響力タ-ボで、共通サプライカ-ドからこの環境最凶ともいえる「マインドコントロ-ル」の奪取に成功。約1枚は安達さんが抑えましたが、このカ-ドは相手の手札からカ-ドを奪えるので、単純に相手を足止めさせる効果と、手の内を知ることで、相手の都市を落としやすくなるという絶大な効果を持ち合わせています。

 とはいえ、エルフ軍は序盤の加速がある分、勝利条件であるお金の額が他の軍団よりも多いというハンデがあります。その性質上、軍事力を高めて中央のイベントキャラを倒し、報酬をものにしなければほとんど勝ち目はありません。

 終盤、報酬で既に5金を獲得し、ほとんどリ-チ状態の野田さん。手札にお金カ-ドを持たれていたらほぼ敗北が確定してしまいます。ところが、やはりここで強烈だったのが「マインドコントロ-ル」でしたね。ほとんど勝利を掴みかけていた野田さんの手札から、見事3金カ-ドを奪い去ります。

 結局その3金カ-ドを手札に加えた私が、その次のタ-ンで一定の所持金数を揃えて勝利!同時タ-ンでのクリアもなかったのでそのまま勝利を確定することができました。う~んどうですかね。このシナリオも面白くないわけではないのですが、個人的には叩き合いのシナリオの方が何倍も好みですね。

勝利:タカハシ 敗北:安達&野田 (敬称略)

乗車券アジア(チ-ム戦):笠谷さん持込み

5.乗車券アジア1

 ここで笠谷さんが登場。ちょうど先日発売されたばかりの『乗車券』の拡張『乗車券アジア』をお持ちでしたので、安達さんのたってのリクエストもあり、本日2度目の『乗車券』がスタ-ト。面白いことに、この新MAPはチ-ム戦と個人戦の両方が楽しめるということで、まずは今までにないチ-ム戦から遊んでみることに。

 各チ-ムは、個人の目的チケット、共通の目的チケット、個人の手札、共通の手札、個人の列車駒27個をそれぞれ使ってプレイします。チ-ム戦以外のシステム的な新要素としては、大量にカ-ドをめくり、追加カ-ドのギャンブル性が増した「大トンネル」。あくまでもチ-ム戦なので(4人プレイの場合は)複数線は単線、そして自分の目的チケットを相手に知らせる(これによってより強力プレイを進められる)、という行動が選択できるというのが面白いですね。あと、細かいところでは、プレイ順に関して具体的な説明書の記述がみられなかったので、今回は各チ-ムごとに交互に、通常の時計回りではなくジグザグ順にプレイを進めてみました(はたしてこれで合ってたのかな^^;)。

 さて、実際のセッションは、お互いの目的チケットはあくまでも秘密にしましょうという私&笠谷さんチ-ムと、初手番にお互い公開し合って、あとはそれに対して完全協力プレイでいきましょうという安達さん&野田さんチ-ムの対決ということに。

 ところが、お互い相手の目的チケットは分からないのですが、共通の目的チケットを基に上手く探り合えた我々の方が上手く路線をつないで最長路線(アジアンエキスプレス)まで獲得する圧勝な展開。特に終盤笠谷さんが選んだ追加の目的チケットが高得点&お互いの目的に合致という幸運もあり、かなりの大差がつきました。

 独特のプレイ感があるこの『乗車券アジア(チ-ム戦)』。確かにもとのシステムを生かして、もし仮にチ-ム戦をやるならばこれしかないといった所を上手く表現しているとは思いますが、どうですかねぇ~コレ^^;あえて個人的な意見を申させていただけるならば、わざわざ『乗車券』をチ-ムプレ-で遊ぶ必要はないんじゃないかなと。たまに変わった感じで遊んでみよう!とかいう面では面白い試みかなのもしれませんけど、作品自体の面白さに関しては、ちょっと薄まってるかなぁ~と。

勝利チーム=171点:笠谷&タカハシ 敗北チーム=137点:安達&野田 (敬称略)

乗車券アジア(個人戦):笠谷さん持込み

6.乗車券アジア2

 どうせなら個人戦も(爆)。ということで連続でこの日3戦目となる『乗車券』のスタ-トです。

 どうもこちらの個人戦のMAPが、デイズオブワンダ-のMAPコンテストで賞を受賞したらしく、何やら楽しみな感じ。先ほどのチ-ム戦とは地名は若干被るも完全なる別MAP。日本の「神戸」も登場します(何故に神戸^^;)。

 新しい要素としては、こちらはかなり意欲的。ある指定のマ-クがある路線を引いたときに、ストックの駒から「ゲ-ム終了時に2点」になるゾ-ンへ「駒を送ることができる」という今までにないアイデアはなかなか秀逸ですね。もともと『乗車券』に関しては、駒1個を何点に変換するか、という部分でも戦略性があるので、5本ラインに匹敵するこの得点効率はかなり優秀で、しかも終了トリガ-へより近づけるというメリットもあり、このMAPでは重要なポイントになるのは間違いありません。

 あとは、最長路線に代えて、いかに多くの都市へ繋いだかというボ-ナス点の概念が生まれたので、特に中央の密集地帯は先ほどの「飛ばし路線」も多く存在していることから、重要な意味合いを持ってきます。そしてこれが今回の勝負の全てでした^^;

 最初に配られた目的カ-ドを見ると、ほとんどが外周寄りの苦しい感じ。しかし最低でも2枚残しということなので、ここで作戦を変更することもできません。実際ほとんどプレイミスなしで最善手を打ち続けますが、どうにも得点効率で追いつける感じがしません。

 結局、中央を厚く攻めて駒を飛ばしまくった笠谷さんの圧勝。ほとんどミス無しだった私は最下位。システムはかなり面白く、もう数回はプレイしてみたいと感じましたが、ちょっと目的チケットの引き、あるいは「飛ばし路線」の引き合いをもっとメタにしないと勝負にならない感じがしたのは、ゲ-ムバランス的にはちょっと疑問でした。場合によっては最初目的カ-ドの全公開とかも必要かもしれませんね。

 しかし、関係ないですがこの「飛ばし路線」。例の中国の列車事故との関係性をいやがおうにも感じてしまって、ブラックネタには終始困らないセッションでしたね。「そんなに埋めるなんて、まるで○○政府と同じですね」「いやまさにゲ-ム終了時に掘り起こすんですから、全く同じですね^^;」という黒い笑いが絶えませんでした(爆)。

1位=120点:笠谷 2位=107点:安達 3位=98点:野田 4位=92点:タカハシ (敬称略)

トラヤヌス

7.トラヤヌス

 続いては、ようやくここで『乗車券祭り(笑)』が終了したということで、話題のフェルドの新作『トラヤヌス』をプレイすることに。

 前回OASEさんの月例会でじゃんさんにインストしていただき、ほとんどテストプレイに近い形でセッションさせていただいたこちらの作品。結構な大差で私が勝利したものの、どうにも腑に落ちなかったので帰宅後ル-ルを読み直してみたら、案の定だいぶミスがありましたね^^;

 ということで、今回はなるべくル-ルミスしないように慎重にインスト。基本的にこの手の作品は経験者有利にできているとは思いますが、私自身は全く「見えていない状態」だったので、気持ち的には他の皆さんと同じかんじでしたよ(笑)。

 とにかく「マンカラシステム」に慣れないうちは、何度この作品をプレイしても摩訶不思議さからは頭から離れないんじゃないでしょうか^^;?ほとんどソロゲ-ムに近いようなシステムですが、ままならさが半端なくて、そういう意味ではリプレイ欲求くすぐられまくりです^^;

 さて、今回はとりあえず序盤は「商品プレイ」を目指してみました。「カ-ドを2枚引く」という達成ボ-ナスがあるタイルを多く配置し、第2世紀に4枚出向で20点の高得点を叩きだします。今回は議会はほとんど無視。1枚もボ-ナスタイルは獲得できませんでしたが、それでも最後は結構な差で逃げ切りでした。

 今回のセッションでようやくおぼろげながら全体像が掴めそうな感じはしますが、序盤から色々な戦略性が取れそうな部分は理解できたのですが、それぞれの個性というか、差別化というか「どの作戦でもそこそこ戦えそうな感じ」はある意味で良い面でもあり、また逆に別の意味では悪い面でもあるんじゃないのかなと。

 つまり基本システムが複雑な分、プレイヤ-側にある程度の戦略の多様性を持たせて逃げ道をいくつか用意してあるデザインは、まさしく最後まで脱落者を出さないという面で十分機能していると思うのですが、その一方で、一生懸命作戦を練っても、大体横並びになるようではプレイのし甲斐がないようにも感じます(一発逆転の要素も少ない)。

 あとは巷で言われる「先手番有利説」に関しても明確な答えは出せていない感じですね。デザイナ-的にはそこまでの有利性を感じてはいないようですが、確かに強烈なム-ブは存在しますし(私は今回実行しませんでしたが^^;)、ト-タル手番数の問題はどこまでも付きまといそうです。

 とはいえ、そのような微妙なモヤモヤ感を無視すれば、これは暫く遊んでみたいタイトルかなとも思います。どこでどう勝ちにつながるのか、どういう戦略が有効そうなのか全く分かりませんが(意外に状況変化が激しいので)、フリ-クの琴線に触れる何かを持ち合わせた作品だと思います。

1位=106点:タカハシ 2位=80点(タイブレーク):笠谷 3位=80点:安達 4位=50点:野田 (敬称略)

おい!それは俺の魚だぜ!

8.おい!それは俺の魚だぜ!

 締めは軽く1時間以内で遊べる作品をということで、『おい!それは俺の魚だぜ!』をプレイ。何気に初プレイだという笠谷さんに、実際軽く遊んでもらう意味も込めて、まずは全タイル裏向きの、多少運ゲ-的な部分が多いバ-ジョンを選択(一応基本ル-ルは例の「滑りっぱなしル-ル」を採用)。

 まず最初のム-ブで欲張りな感じの危険な動きをする野田さん。案の定すぐに私と安達さんに周りを囲まれていきなり中央で1匹ロストしてしまうという笑える展開に(4人プレイですとペンギン駒2個なので、この時点で野田さんはかなり負け確定ですね^^;)。

 とりあえず全てのタイルが裏向きなので、大きな島を独占したと思っても、実際には魚が少なかったり、逆に小さな島に追い込まれても、そこには大量の魚がいたりという展開があるので、必ずしも実力通りに勝負はつかないのがこのル-ルの面白い部分でもあり、不満な部分でもあるのですが、今回は一番多くタイルを取った私がそのまま勝利しました。

 ということで、肩慣らしはこんな感じで、次は全タイル表向きののガチンコバトルです。今回は序盤から選択肢が多かった私が終始展開を握る感じでしたが、最後の最後で安達さんと笠谷さんがお互い点を伸ばす契約(交渉)を成立させてジ・エンド。最後に頭1つ抜け出した安達さんに、僅かに及ばず惜敗でした。

 私自身かなり他のプレイヤ-のマ-クに合いやすいので、この作品の勝率は意外と低いんですよね^^;なるべく広い場所へ逃げてはいるのですが、それがかえって他のペンギンを呼び込む展開につながり、要所で私自身の選択権が減ってしまいなかなか勝てないです(それだけに面白いんですけどね♪)。

1戦目 1位=28点:タカハシ 2位=27点:安達 3位=22点:笠谷&野田
2戦目 1位=28点:安達 2位=26点:タカハシ 3位=22点:笠谷 4位=17点:野田 (敬称略)


 ということで、今年最後の月例会は、まさに『乗車券祭り』の一言でした(笑)。それでも1日にこれだけ繰り返し遊んで、それでもまだ面白いんですから、新しい拡張という部分を差し引いても『乗車券』シリ-ズはいずれもキラ-タイトルなんでしょうね。

 今年は2ヶ月に1回のペ-スに変わったNBGCでしたが、来年もまたこのペ-スを維持するかに関してはまだ未定です。今現在新潟にゲ-ムサ-クルさんが増えてきていることからかんがみれば、恐らくは今のペ-スを維持するものと思いますが、もしかしたら更なるスタイル変化も思案中なので何とも言えません^^;

 とにかく、この一年間は色々なことがありすぎて、日本にとっても、また自分自身にとっても大変な年でしたが、NBGCの月例会にお越しくださった全ての皆様に感謝するとともに、来年もまた皆さんと楽しいボドゲライフが送れますことを切に願います。byタカハシ
 毎年恒例の「日本版The One Hundred 2011」の集計が出ました。もう今年で何年目ですかね?あぁ、そういや去年はココに挙げるの忘れてましたね(あとであげときます^^;)!?毎年12月にミクシィ内で参加を募集し、一人15作品挙げてそれを集計。ここ数年参加人数の上昇傾向は収まりつつありますが、今年も161名もの参加があったようです。もう作品が多すぎて集計も大変なんでしょうけど、まぁ風物詩なのでどうにも辞められない感じになってますね(笑)。今年は完全に100を超えて124作品。好みの細分化が顕著ですね。

1.カタンの開拓者たち [58]
2.ドミニオン [54]
3.世界の七不思議 [51]
4.プエルトリコ [41]
5.パンデミック [37]
6.カルカソンヌ [30]
6.電力会社 [30]
8.アクワイア [29]
8.テレストレーション [29]
10.アグリコラ [28]
11.髑髏と薔薇 [26]
12.乗車券 [25]
13.ブラフ [22]
14.ニムト [21]
14.レースフォーザギャラクシー [21]
16.ディクシット [20]
17.あやつり人形 [19]
17.ナビゲーター [19]
17.モダンアート [19]
20.クク [18]
20.ハゲタカのえじき [18]
20.ラー [18]
20.ルアーブル [18]
20.レジスタンス [18]
25.ごきぶりポーカー [17]
25.バトルライン [17]
25.ラミィキューブ [17]
25.ロンドン [17]
29.マジックザギャザリング [16]
30.K2 [15]
30.エルグランデ [15]
30.キャメロットを覆う影 [15]
30.サンダーストーン [15]
30.ワードバスケット [15]
30.麻雀 [15]
36.ゲシェンク [14]
36.コロレット [14]
36.スモールワールド [14]
39.サンクトペテルブルク [13]
39.トロワ [13]
39.魔法にかかったみたい [13]
42.それはオレの魚だ! [12]
42.ブルゴーニュ [12]
44.オートモービル [11]
44.お邪魔者 [11]
44.スコットランドヤード [11]
44.ビブリオス [11]
48.アセンション [10]
48.ヴォーパルス [10]
48.ファウナ [10]
48.八八 [10]
52.インジーニアス [9]
52.ケイラス [9]
52.サンファン [9]
52.ストーンエイジ [9]
52.ダンジョンレイダース [9]
52.ブラス [9]
52.ブロックス [9]
52.ボーナンザ [9]
52.ワニに乗る? [9]
61.ウボンゴ3D [8]
61.キングオブトーキョー [8]
61.コンテナ [8]
61.シャドウハンターズ [8]
61.スルージエイジス [8]
61.テキサスホールデムポーカー [8]
61.ハチエンダ [8]
61.バックギャモン [8]
61.マンマミーア [8]
61.メディチ [8]
61.モンド [8]
61.ランカスター [8]
61.交易王 [8]
61.蒸気の時代 [8]
75.アーカムホラー [7]
75.ガイスター [7]
75.ごいた [7]
75.ジャイプル [7]
75.テーベの東 [7]
75.ハイパーロボット [7]
75.ブクブク [7]
75.ローゼンケーニッヒ [7]
75.王と枢機卿 [7]
75.花火&生け花 [7]
75.人狼 [7]
86.アンギャルド [6]
86.ウボンゴ [6]
86.キャット&チョコレート [6]
86.グレンモア [6]
86.クワークル [6]
86.ディプロマシー [6]
86.ハートオブクラウン [6]
86.フレスコ [6]
86.ペンギンパーティ [6]
86.ポセイドン [6]
86.メンバーズオンリー [6]
86.もっとホイップを [6]
86.将棋 [6]
86.超人ロック [6]
100.アップタウン [5]
100.アルハンブラ [5]
100.インカの黄金 [5]
100.エイジオブルネッサンス [5]
100.エンデバー [5]
100.クイズいいセン行きまSHOW! [5]
100.コントラクトブリッジ [5]
100.シュテルネンヒンメル(12星座ゲーム) [5]
100.スプリングフィーバー [5]
100.タイタンの掟 [5]
100.ダンジョンクエスト [5]
100.ティカル [5]
100.トワイライトストラグル [5]
100.ナポレオン(トランプ) [5]
100.パトリツィア [5]
100.ヒステリーオブザワールド [5]
100.ぴっぐテン [5]
100.ボトルインプ [5]
100.マンハッタン [5]
100.ワンダフル映画祭 [5]
100.王への請願 [5]
100.砂漠を越えて [5]
100.数エーカーの雪 [5]
100.倉庫の街 [5]

 ということで、全部で124作品。一応プレイ数+所有数で測るゲ-マ-度に関しては、今年は117+83でちょうどピッタリ200でした。あれ?何か増えてる?^^;byタカハシ
 先週の日曜日はOASE新潟さんの月例会へ参加してまいりました。会場へ到着すると、久しぶりに主催の梶さんがお見えになっててビックリ!今現在お子さんを棋士に育成中(笑)ということで、休日はなかなか時間が取れないとのことでしたが、年度末ということもあってお顔を出されたのでしょう。案の定数ゲ-ムプレイなされた後は、道場で頑張っている息子さんを迎えに行くということで早退なされてました^^;

トラヤヌス

1.トラヤヌス

 まずは、フェルドの話題の新作『トラヤヌス』からですね。タイトル表記は現代語の「トライジャン」。でも本来の意味は古代ロ-マ帝国皇帝の「トラヤヌス(これはラテン語読み)帝」ということで、国内でのタイトルもすんなり『トラヤヌス』に決まったようです。この日は何故か会場に2個存在しましたが、やはりフェルドの新作だけあって注目度は高いのでしょう。

 そして何といっても、今作の注目点といえば「マンカラシステムのボ-ドゲ-ムへの転用の可能性」ですね。アフリカの伝統的なアブストラクトゲ-ムの1つで、国技にもなってる国も存在する「マンカラ」。その基本的なシステムをボ-ドゲ-ムに組み込もうというのですから、これはエッセン前からかなり気になってました。

 結論からいえば、これ素晴らしい出来だと思います。面白いかどうか(いや個人的には面白かったですが)を抜きにして、新しいシステムの構築にチャレンジしたデザイナ-の才気は十二分に感じられる力作だといえるでしょう。既存の人気システムの流用や、どこか寄せ集め的な作品が多い中、最先端の人気デザイナ-がチャレンジ精神を持ってゲ-ムデザインをしている。これだけでも評価に値しますね。

 今回はテストプレ-に近い面もあったので、インストは別の方にお願いしたのですが細かいル-ルの間違いなどはあまり気にせず、その時々で修正しながらのセッションとなりましたが、これがシンプルながらかなり難解なシステムだったので、上手く戦術がはまった私のほとんど一方的な展開に^^;

 基本的には自分のボ-ド上で駒を動かすだけなので、あまり他人を気にせずにプレイに集中できるのは良いのですが、とにかく「マンカラ」の動きにやられます^^;慣れれば数手番先まで予約できるので2度3度繰り返すごとにセッションの質も向上するのでしょうけど、最近の傾向なのか、そこまでの過程を得られないまま埋もれてしまう気がするのと、やはり経験者とそうでない方との差がかなり出そうな部分も個人的にはどうなのかな?と懸念材料が少なくないのも事実だといえるでしょう。

 私自身はかなり高評価なのですが、はたしてそう頻繁に卓が立つ作品になるとは思えないだけに、プレイ機会は逃さないようにしなけりゃなりませんね^^;

ヴォ-パルス

2.ヴォーパルス

 続いては、国産ゲ-ムで最近かなり評判が良いという噂の『ヴォ-パルス』をプレイ。ゲ-ムマ-ケットでも完売の人気作ということですが、システムは『世界の七不思議』よろしく「ドラフト」ということで、この点だけは私も知ってました。ただし、インスト担当の方も強調なされてましたが、『世界の七不思議』とは別ゲ-ムとのこと。まぁ全く同じだったらそれはそれで問題なわけで(笑)、そうでなくては作品としての価値は薄いですからね。

 さて、実際にル-ルを聞く前に、まずは全体的なカ-ドイラストの雰囲気は、これは良いですね。カ-ドゲ-ムで雰囲気が良いのは、これだけでゲ-ムに対するかなり印象が変わります。決して上手い(細かく書き込まれた)絵柄ではないのですが、色使いが非常に落ち着いていて凄く好印象です。

 肝心のゲ-ムシステムは、これは私的にはインスト担当の方が強調なされるほどのオリジナリティは感じられず、『世界の七不思議』の「軍事」に注目して、そこにアレンジを加えた作品という位置付けで良い感じがしました。全体的に見てかなり推考を重ねたと思われる各種カ-ドの数字のバランスや、枚数の構成などはなかなかのものだとは思いましたが、あえてこの作品を手に取りたい!という魅力はあまり感じられませんでした。

 その理由は、まず逆転の要素の少なさですね。これは言い換えれば戦略の選択肢の少なさともいえるのかもしれません。『世界の七不思議』とは異なり、「軍事」の勝利得点が常に3点であること。これはデザイナ-があえて意図してそうデザインしたのだと思いますが、今回のセッションでは私自身がずっとトップでそのまま逃げ切った展開になってしまったこともあって特にそう強く感じました。

 あとは、私自身カ-ドの構成(中身)が良くわからなかったので、適当に「肉作戦(勝手に命名w)」を選択したのですが、これが思いの外強烈で、これに対するメタ勝負なるんじゃないかな?と感じたのも理由の1つです。もともと「ドラフト」というシステムは、作品全体としての奥深さが出にくいものという私自身の持論があるので、あえて『世界の七不思議』よりもさらに単純明快なこちらの作品を選択する理由は、自分の中には見つけられませんでした。

 もし「ドラフト」というシステムを流用して意欲的な作品を作るのであれば、『操り人形』と『世界の七不思議』。やはりこの2作品は常に意識して、そことどう差別化を図るかを上手く考える必要があると私は思います。似たような作品を出すのであれば、初めからある程度ハンデがある。しかしデザイナ-はあえてハンデを承知でそこに挑んだんだろう、という気持ちでこちらは構えてしまうので、どうしても最後辛口コメントになるのはしょうがないかなと思います。

森の賢者

3.森の賢者

 時間調整でワレスの新作トリックテイキングをプレイ。国内未流通ということでまだ正確な邦題は分かりませんので勝手に『森の賢者』としておきます。『森のオランウ-タン』よりかはましかなと^^;

 さて、ワレスのカ-ドゲ-ムにはあまり良い印象を持っていない私自身としては(笑)、この作品もインストの段階からかなり?が頭に浮かぶ感じでした。完全なるメイフォロ-の超簡単システムですが、実際はかなり運要素とプレイヤ-同士のこねくり合いが存在する変則的(変態的)なトリックテイキングでしたね。

 この作品は、最も大きい数字をプレイした人と2番目に大きい数字をプレイした人が、自分以外の人がプレイしたカ-ドを獲得して、ある一定のカ-ドの組み合わせを達成したら場の得点カ-ド(常に5枚表示)と交換するというシステムなのですが、これが全くいって良いほどの見通しが効かない盲目的なカ-ドのプレイの連続につながり、誰もが「あぁ~それならこうプレイするよね」みたいな感じでまるで全員ロボットのようなプレイ感はガッカリの一言。

 ワレス自身、普段トリックテイキングなんかプレイするのかしら?って疑問に思うほど、トリックテイキングの面白さは全く感じられない作品でした(もしかしたら全く新しいトリックテイキングなのかもしれませんがw)。『ウントチュ-ス』もそうだったですけど、個人的なワレスのカ-ドゲ-ムとの相性の悪さを特に感じました。この人『数エイカ-の雪』の反動が出たんでしょうか(爆)?。最近何故か多作のワレス氏、もしかしたらクニツィア博士と一緒で2号、3号がいるのかもしれませんね・・・^^;

ケベック

4.ケベック

 続いては『ケベック』ですね。前回のプレイ&その後のプレイでかなり個人的には高評価のこちらの作品。古き良きオ-ソドックスなドイツゲ-ム臭と、最新の得点決算システムの融合が今のところ新鮮味をかなり感じとれている部分が気に入ってます。

 ということで、今回は前回細かい部分でル-ルをアレコレ間違っていたので、自作のリファレンスも作成してのリキの入ったセッションとなりましたが、はたしてどうだったのでしょうか?

 この作品はボ-ドゲ-ムでは最近では特に珍しい、「自分の手番の行動は1回のみ」というシンプルさが売りでもあるのですが、しかし実際は局面が毎回変化して状況がコロコロ変わるものすごく戦略性の高い作品だと言えます。全部で4回ある世紀(決算)のタイミングがいつ訪れるのか?はたまたその時に自分はどこでどう優位性を保てるのかを常に念頭に置く必要があるので、初見ではかなり見通しの悪い印象を抱くことになるでしょう。

 今回のセッションは一人経験者の私が、前回同様序盤で走るも、中盤で逆転される苦しい展開に。しかし、第3世紀での強力な大量得点がウィニングム-ブとなり、そのまま私が大差で逃げ切って勝利するという展開でした。

 案の定、セッション後の感想戦は「これ、どうやって良いか全くわからない作品ですね」という意見が相次ぎました。確かに、私自身まだまだこの作品に関しては見えない部分が非常に多いので、どうして自分が勝利したのかについては、まだあまり詳しく分析はできませんが、単純に言えば(他の多くの作品もそうであるように)「自分に有利な状況をいかにうまく作り上げるか」は,特に注意する必要があるかと思いますね。

 まず間違いなく有効な作戦は「連続する2つの色で最多数を取る」ということ。これは得点効率が跳ね上がるのでかなり強力です。逆にいえば、トップにこれをさせないプレイも重要になってきます。こういう部分が見えないままプレイをしていれば、この作品を何度プレイしても勝てないでしょうし、面白さや駆け引きの奥深さも理解できないと思います。

 ちなみにですが、この作品で「交渉」を入れるのは止めた方が良いかもしれませんね。トップを叩くためには、今はこうすべきなのでは?くらいの助言ならまだしも、こうするからこうしてくれ!みたいなことになったら収拾がつかなくなりそうです^^;この辺はインストの段階で注意点としてあげても良さそうな気がしました(まぁ大抵初見のプレイヤ-の方は交渉までは至らないケ-スがほとんどですけどね^^;)。

ハギス

5.ハギス

 締めは3人で『ハギス』をプレイ。同社の『レジスタンス』にばかり注目が集まってましたが(日本語化も決まったようですね。あれのどこを日本語化するのかはわかりませんが^^;)、個人的には圧倒的にこちらの作品が好み。もう少し前にプレイできていれば昨年度のランキングに十分ランクインしていたことでしょう。

 とはいえ、この手の作品(『大貧民』の亜種)が好みでない方には特にオススメはしません。ゴ-アウト系のトリックテイキングは、国内にとどまらず海外でも人気のシステムなのですが、色々と明確なアレンジがなされているので、それぞれに個性があって良いですね(この辺は前述の『ヴォ-パルス』とは多少異なる気もします)。

 この作品の大きな特徴は「全員が最初からジョ-カ-を持っている」ということ。この今までにないシステムがかなり味わい深いプレイ感を醸し出しています。みなさん『大貧民』を遊んだことがある方なら分かると思うのですが、終盤で相手が自分よりも上のランクのカ-ドをプレイしてくるかどうかのギャンブルをする瞬間の、あのドキドキ感をかなり感じられるように仕上がってます。

 あと、えてしてこの手の作品は最初の手札によって勝ち負けが決まってしまう部分が大きいですが、前述のとおり誰もが切り札を持っているので、局面によってはタッグを組んで特定のプレイヤ-の勝利を阻止したり、一発逆転が存在したりと、プレイのドラマ性がかなり高まっているのも大きな魅力といえるでしょう。

 まず間違いなく何度も何度も繰り返し遊んで、その度に面白さが増す作品だとは思いますが、今回は残念ながら1セッションのみで終了。ショ-トゲ-ムの250点先取でプレイしましたが、100点前後までは横並びのなかなか良い勝負でしたが、終盤は一気に私が突き抜けて最後は押し切りましたね(そういやトップの5点ボ-ナスをすっかり失念していたので、実際はもっと早く決着できていた気がします^^;)。

 『ハギス』、『タイチュウ』、『ピ-パ-』(『グレ-トダムルチ』は個人的にイマイチw)の3作品の黄金タッグは、しばらくの間王者に君臨しそうです。


<思いつく限りで他の卓で遊ばれていた作品>
・パリスパリス
・対戦型シミュレ-ションゲ-ム(タイトル不明)
・ネイバルバトル
・たんとくお~れ
・クォリア-ズ

 ということで、今年最後のOASEさんも無事終了。来年もまたよろしくお願いします。

 ちなみにNBGCは次週(今週末)開催予定です。こちらもどうぞよろしく。では。byタカハシ
 先週の日曜日は約1年と数か月ぶりに「魚沼ボードゲームを楽しむ会」に参加してまいりました。新潟県は南魚沼市でゲ-ムサ-クルを運営なされているやつさん。お会いするのも久々ですがお変わりないようで安心いたしました。

 さて、こちらの会へなかなか頻繁に参加できないのには理由がございまして、自分トコや他サ-クルさんの月例会とのバッティッグ等もあるのですが、やはりその距離の遠さがネックで、会場まで車で(仮に高速を利用してとしても)2時間半はゆうにかかります。

 ですので、基本的には1台の車に何人か乗り合わせたり、のんびり列車で参加するのが通例になっているのですが(ちなみにウチの常連さんのAさんは列車大好きなので、良くこちらへ遠征なさっておられます^^;)、どうしても往復で5時間以上かかるとなると、なかなか日帰りでは難しいのも実情でして、個人的には機会があれば積極的に参加を狙っているのですが、久しく足が遠のいてしまってて申し訳なく思っていたところでした。

 ということで、エア-ポケットのように予定が空いた先日の日曜日。もうすぐ雪が降ってくることを思うと、もしかしたら今年の(冬シ-ズン)はラストチャンスなんじゃないかという部分と、久々にドライブも兼ねて遠征もいいかなぁ~♪というポジティブな思考が、直前になって私の気持ちを後押ししてくれました。

 一応直前ギリギリでしたが、前述の遠征常連のAさんとかに同行を打診してはみたのですが、Aさんは非常に興味がある話なんですけど、急に休日出勤が決まってアウトなんですよ><ということでしたし、別の方も体調不良で参加を見合わせますということでしたので、結局単独行とあいなりました^^;

おい!それは俺の魚だぜ!

1.おい魚

 まずは人数が揃うまで3人で『おい!それは俺の魚だぜ!』をプレイすることに。最近出た日本語パッケ-ジのコンパクトなバ-ジョンですね。

 初版に比べても半分以下の大きさでタイルの大きさも小さくなっていますが、プラスチックのペンギンフィギュアは、個々に形が違うという芸の細かさがありましたし、魚のイラストも非常にコミカルに変わっていて、値段の安さとパッケ-ジのコンパクトさは、この名作ゲ-ムを気軽に楽しむという面に関しては素晴らしい仕事なんじゃないかなと思いました。

 その一方で、この手のシンプルでありながらも戦略性の高いアブストラクトゲ-ムに関しては、逆にできる限りコンポ-ネントは豪華に、そして大きくした方が良いという向きもあり、実際にもデラックス版が発売された経緯からも、必ずしも作品をコンパクトにしたから良いという部分だけではすまされない面は、ボ-ドゲ-ムのデザインの難しさを如実に感じます。

 どちらかといえば、こういう作品をコンパクトにまとめるというのは、日本のお家芸みたいなところは大きいのでしょうけど、コンポ-ネント(の大きさ)も含めて全体を評価する面もあると思うんですよね。最近ですとクニツィア博士の『モダンア-ト』をテ-マを変えてコンパクトにした『スタンプス』とかありましたが、イラストワ-クも含めて素晴らしい仕事と思う反面、私自身があまり興味を惹かれなかったのは、そういう微妙な心理が働いたのかなと。

 さて、実際のセッションは、私の提案で「一度滑ったら他のペンギンに当たるか端っこまで滑りっぱなしル-ル」を採用することに。こちらのル-ルの方が、まず3匹の魚に群がるプレイとか、直接的に他人を攻撃する要素が減って好みなんですよね。そんなわけでコンポ-ネントは小さくても、ゲ-ムの質は相変わらず高く非常に楽しめました。最後は運良く大きな島を独り占めできる展開に恵まれ勝利。なんかこの作品に関してはしばらく連敗が続いていた気がするので、ようやく勝てた心境でしたね^^;

サンクトペテルブルグ

写真撮り忘れ(スミマセン)

 続いてはもう一人の参加なされる予定の方が遅れていたので、再度時間調整で『サンクトペテルブルグ』を3人でプレイすることに。まぁサクサクいくかなと思っていたのですが、意外に時間がかかってしまったのは予定外でした^^;

 最初の職人ステップでのカ-ドの並びは、3人プレイなので6枚の3、3、4、4、5、6。運良く初手番だった私は最初は問題無く3の職人を選びますが、2手目は4ではなく5の職人を取ります。多分この作品をやりこんでいる方なら誰しもがこのプレイを実践すると思うんですが、5の職人には拡張で収入を倍にできる可能性があるため、既に2枚場に出ている4よりも将来的な可能性が高いと(私は)判断してます。

 そして、この判断が見事に的中してしまいます。1ラウンド目から建物に走るやつさんとオシミさんの両名の所持金が少ない状況で生まれた2ラウンド目の職人ステップ。出てきた職人は3、4、5、5、5、5!ともに5金手元に残さなかった両名は当然3と4を押さえますが、残った5はキッチリ全て私のものに!ここで一気に差が広がってしまいましたね。

 以降はうなる所持金にモノを言わせて序盤から高額の貴族を建てまくり、建物の加速力で逃げ切ろうとするやつさんをあっさり捉えて抜き去ります。途中天文台から貴族ボ-ナスへと路線を変更したオシミさんも、さすがにこの収入の差はどうしようもなく、私のリードはどんどんと広がるばかり。

 最後は職人カ-ドの最後の1枚が残ってしまうという悲劇も相まって、さらにリードが広がる余計な1ラウンドが追加されたこともあって、私自身過去最高の180点という驚くべきスコアでのぶっちぎり勝利になってしまいました。久々のプレイで勘が鈍っておられた感じの両名のアシスト的な面も結構あったので、さすがにこのハイスコアは二度と出せないでしょうね^^;

ケベック

2.ケベック

 ここでsaiさんがお見えになられたので、リクエストもあって4人で私がこの日持ち込んだ新作の『ケベック』をプレイすることになりました。私自身まだあまり深くル-ルを理解していないのと、ル-ルブックを隅々まで読み込んでいない状態だったので、あくまでもテストプレイといことと、多少の時間はかかる作品だということを事前に了解していただいてのセッション。

 いわゆる「陣取り」系の作品といえるこちらの作品は、決算方法に独特のオリジナリティが感じられるのと、古き良きドイツゲ-ムを髣髴させるようなアイコン重視のシンプルなデザイン、それに何といってもケベックの街を見事に彩るア-トワ-クが秀逸で、エッセン前にも密かに期待していた作品の1つだったのですが、これはまさに期待通りの素晴らしい作品でしたね。

 とりあえず、序盤はある程度ル-ルを理解している(と思われる^^;)私が、こうやって点数を稼いでいきましょうみたいなプレイを実践。とりあえず最初は私が点数面でリ-ドします。しかしその甲斐あってか中盤以降は全員がかなり良い感じでプレイするようになってきて、何といっても点数面でリ-ドする私の独走を許さないような協力プレイもあったりと、一時は点差が逆転する場面もあったりする熱戦となりました。

 結局最後は強力な指導者カ-ドが何故か私の手元に転がり込んできて、そのパワ-を効率良く使うことができた私が逃げ切りの勝利を果たすことができたのですが、自宅に戻ってル-ルを読み返すと、かなり細かなところでいくつもル-ルミスがあったことが判明したので(このセッションに関してはもちろんゲ-ムとして成立してましたが)、今回はあくまでも参考プレイということになるでしょう(失礼しました^^;)。

 そして一度プレイしたうえで、実際のル-ルを正しく理解してみると、更にこの作品が面白そうだということが理解できました。この後自宅で数回リプレイしてみましたが、これは面白い作品ですね。かなり場の状況が忙しく変化するので、初見ではなかなか全貌を掴み辛い点(これは説明書にも明記されてます)、また下位同士の結託でトップのリ-ドを許さない部分や、ときには「仕事」を要求されるマルチ性はライトゲ-マ-にはあまりオススメはできないかもしれませんが、普段はあまり2時間クラスの作品は遊ばないんですよ、というsaiさんからも「これは面白いゲ-ムですね。いや、こういう長時間の作品もいいなぁ~って思いました」というかなり好意的なコメントをいただけたので、意外とライトなゲ-マ-さんにもオススメなのかもしれませんね。

 一応「交渉」が入り込んだりする要素(例えば、私が駒をソコに動かすので、あなたはソコへ動かしてくださいとか)があったり、下手したら(システム的に)キングメイカ-が出そうな感じもするので、その辺はプレイヤ-同士で十分ケアする(避ける)必要はあると思うのですが、オシミさんがセッション後に「これヘックスでも良いのに丸で表現しているの良いですよね。タイルを返しやすいですし、デザイン性も高いなぁ」とおっしゃっておられたように、美術面の美しさとシステム面の美しさが見事にマッチした感じはなかなかのものといえるでしょう。次は是非正しいル-ルで楽しんでみたいですね。


 ということで、久々の「魚沼ボードゲームを楽しむ会」さんは僅かに3ゲ-ムでしたが、遠征した甲斐がある楽しいゲ-ム会でした。また暫く間が空くかもしれませんが、機会があればまた参加させていただきたいと思いますので、そのときはどうぞよろしくお願いします。byタカハシ
 今年もアッという間に師走ですね。およそ2ヶ月ぶりのコラムですか。まぁ今年はこれでコラムは書き収めかな?結局今年は年初からくだらない話ばかりを続けてしまいましたが、意外にも本年度はこうして自分なりの意見というか、現状のボ-ドゲ-ムシ-ンに対して、あるいはボ-ドゲ-ム自体に対して、その人なりの思いストレートに表現する現象が結構増えた印象を抱いております。決してウチが呼び水になったわけではないでしょうし、私自身さほど有益なことも言っている自覚もないので、他の方の貴重な御意見の数々については、単純にありがたく拝読させていただいた次第ですが、どうかウチは他ほどレベル高くないので、面倒な人は読まずにささっと流してくださいね^^;

 さて、本題です。

 普段よほどポ-カ-(ホールデムポ-カ-)に慣れ親しんでいる方でないと、あまり聞きなれた単語ではないと思うのですが、ポーカ-の専門用語に「ティルト」というものがあります。

 元々は「とがっている」とか「他人を口撃する」みたいな意味を持つ単語なんですが、ポ-カ-ではよく「ティルト状態になる」みたいな感じで使用します。

 具体的には、プレイヤ-が「集中力が切れてしまった状態」、「冷静な判断ができなくなってしまった状態」を意味してまして、「あぁ、あいつは遂にティルト状態になってしまった^^;」みたいな感じで使用されるケ-スが多いですね。

 今回はこの「ティルト」という現象と、ボ-ドゲ-ムとの関係の話です。この「ティルト」に関しては、普段私たちが慣れ親しんでいるボ-ドゲ-ム(特に戦略性の高いフリ-クゲ-ムや、多人数でのマルチゲ-ム)においても、かなりの頻度で起こりうる重要な問題です。

 いわゆる「ティルト=プレイヤ-がキレてしまう」状況は、本来の和やかな雰囲気を一発でぶち壊しかねませんし、ましてやキレた末に他人を高圧的な態度・言動を伴って攻撃するような場合には、下手したらそのあとの人間関係にまでヒビを入れかねないケ-スもあったりして、一般のオ-プンなゲ-ム会とかでは、(たとえ一期一会の関係であっても)相当嫌悪されるものであると思います。

 では何故ボ-ドゲ-ムと「ティルト」の関係性について私が述べなければならないのか?

 一般的に、「ティルト」状態に陥る要素としては、「理不尽な状況の発生」に集約されるといわれてます。そして特にフリーク向けのボ-ドゲ-ムには、「不運な展開が続く」とか、「他のプレイヤ-から(不当に)攻撃を受ける」とか、「狙っていた戦略を妨害される」など、実に様々な「ティルトに陥る可能性がある要素」がたくさん詰まっているわけです。

 また仮に4人で遊んだ場合、実力が拮抗しているとするならば勝利できるのは大まかにいって4回に1回。逆に言えば4回に3回は負ける(少なからずフラストレ-ションが溜まる)わけですから、相当熟練のプレイヤ-であっても、常に「ティルト」を避けて通るのは困難な作業といえるでしょう。

 しかしながら、ここで非常に重要な点は

真剣にプレイしているプレイヤ-ほどティルトに陥りやすい

 ということです。

 よく仲良しこよしの雰囲気を極端に重視するあまり、「ティルト」を完全否定するようなアレルギ-反応的発言をする人がいますが、これはある意味「ティルト」状態に陥る人よりももっと厄介です。

 人は真剣にプレイすればするほど、ゲ-ム上デザインされた「理不尽さ」にいやがおうにも翻弄されてしまうわけです。ですから、「プレイヤ-は俳優の境雅人のように常にニコニコ微笑みを湛えているべきだ」みたいな考えを持っている人は、逆に一緒にプレイしていても全くつまらないですし、逆に何も考えていないようで気持ちが悪いです。

 うまくいったときは喜びを、うまくいかなかったときは悔しさや悲しさを、いかに相手に対してストレ-トに表現できるか。ボードゲ-ムの本来の一番の醍醐味は、まさにココにあるといっても過言ではありません。

 そして前者(喜び)に関してはかなりの人が無意識にクリアできているのに、後者(悔しさや悲しさ)に関しては、極少数の人しかクリアできていない(受け入れられていない)のは、奥ゆかしさを美徳とする日本の文化の影響ももちろんあるのでしょうけど、そもそも最初から「ティルト」とうまく向き合おうとしない姿勢も、その原因の1つといえるのではないでしょうか。

 最初に戻って、私はなにも「ティルト」を推奨しているつもりはありません。

 しかし、「ティルト」は真剣にゲ-ムを遊んだ結果の「(負の)副産物」であり、しかしそこを毛嫌いするあまり、本来のゲームが内包するポテンシャルを損なうのは本末転倒な感じがするわけです。

 思い返せば、誰しもみんな、親しい友人同士で口汚く相手を罵り合いながら、それでも笑いと信頼感を頼りにワイワイ遊んだ思い出が一番楽しかったのではないでしょうか?

 プレイレポ-トに関してもそうです。喜怒哀楽の喜と楽しかないような、日記みたいなレポ-トよりも、プレイヤ-同士の怒や哀がしっかり描かれているレポ-トの方が、ドラマチックな感情の推移がそのまま迫力と厚みを加えることになり、見ていて100倍面白いわけです。

 ようは、「ティルト」に陥いりそうな状況を、いかに冷静に楽しめるか?また一度「ティルト」に陥ってしまった場合には、いかにそこから早く復活することができるか?ここが一番重要なポイントといえるのではないでしょうか。

 一緒に遊んでいる人が「ティルト」になってしまったら(あるいは陥りそうになったら)、さりげなく冷静さを取り戻すように面白い話題を振りまいてみる。

 もし自分自身が「ティルト」に陥りそうになったら、逆に今こそ(自分の不幸な状況をネタに)笑いが取れるチャンスだと考えてみる。

 さらには、どうしようもない「ティルト」状態になってしまったら、一旦ペンディング(中断)してもらうか、(良い形で)投了して次のセッションに移ってもらう。

 このようなちょっとした一工夫が、きっとセッションを1回りも2回りも印象深いものにしてくれるはずです。

 「ティルト」は同卓のプレイヤ-を不快にさせる最も恐るべき心理状況であり、できれば誰しもそれに陥りたくはないものですが、一方でうまくその対処方法を身につけさえすれば、プレイヤ-としては1段階も2段階も上のランクに上がることができ、その人が入る卓では、常に豊かな表現が飛び交う素晴らしいセッションが繰り広げられることとなるでしょう。

 くれぐれも「ティルト」を極端に恐れるあまり、無表情になったり、会話をしないようになったり、極端な平和主義になってしまったりするのは、「ティルト」状態のプレイヤ-を生むことよりもなお、つまらないセッションになってしまう可能性があることを忘れてはいけません。

 また、ポ-カ-の場合は、「ティルト」に陥ったプレイヤ-は他のプレイヤ-からしてみれば完全なる「カモ」になるわけで、いうなれば自分自身がそうならないようにセルフケアすればそれで済む問題なのですが、ボ-ドゲ-ムはあくまでも「みんなで楽しむこと」を前提としているわけですから、自分自身がそうならないように気を付けるのと同じレベルで、一緒にプレイしている仲間がそうならないようにケアする必要があります。

 「ティルト」を嫌悪するのではなく、あくまでも不可避の副産物として、常に起こりうるソレといかに上手に向き合うか。このコンセンサスが予めメンバ-全員で確立されるようになれば、ボ-ドゲ-ム文化は確実に1つ先の領域に踏み込めるのではないかな?と想像してます。

 繰り返しになりますが、この趣味を(フリ-クとして)続ける以上、「ティルト」は常にあなたの傍にいる危険な存在ではありますが、それは決して忌避すべきものではなく、むしろいかに上手に向かい入れるかが問われる問題であるといえるでしょう。(自分自身も含めて)誰かが「ティルト」になった場合は、それはその人が真剣にゲームに取り組んだ結果なのだということを理解したうえで、そこからすぐにいかに場の雰囲気を戻せるかに頭を切り替えられるようになれば、その人は最高のプレイヤーの1人に数えられるかもしれません。

 もちろん、個々のプレイヤーの器の大きさやユーモアのセンスにかかっていることでもあるので、誰しもがそのようなムードメーカになれるものではありませんが、「ティルト」を上手くコントロールできれば、意外なほどゲ-ムに対する「見方」が変わると思います。byタカハシ