久々のコラムですね。
先週の週末は急に寒くなったこともあって、冬物の衣料を整理すると共に自室のボードゲームの棚も少し整理しました。
そこで色々と思ったことの1つに、「これらの素晴らしい作品達は、私のボードゲーム人生の中で実際あと何回プレイできるんだろう?」というものがありました。
この趣味を楽しんでいる方で、いわゆる「コレクター」と呼ばれるほどに作品を所有している人(恐らく総数が50を越えていればもはや「コレクター」でしょうね)の多くが一度は考えたこのテーマですが(またあえてそのことには触れないようにしている人も少なくないはずですw)、実際計算してみるとおのずと答えが出てきます。
月にどれだけこの趣味に時間を消費できるか?また毎月(あるいは年単位でも可)どれくらいの新作が増えていっているか?などなど個人差はありますが必ずしもその数字は多くないと思われます。私自身今現在で500くらいは優に所有していますが、単純に年間50個ずつプレイしても10年はかかる計算です><
悲しいことに現在日本のボードゲーム界の最先端を走る方達のほとんどは「消費型」です。
これは新作(あるいは未プレイの作品)を1回でもプレイしたら、大部分の欲求が満たされたものと認識して、次から次へと新作に飛びついていく形態です。そうしないと他の人にどんどん置いていかれるような気持ちにでもなるのでしょうか?それとも単純に新作のペースが早いからなのでしょうか?恐ろしいまでに常に新しい作品を貪欲に求める姿は、まさに趣味人としての形としてはある意味で正しいものなのかもしれませんが、正直本場ドイツの真裏に存在する島国でとられる形態としては少なからず異状な感じもします。
まだ国内に本格的にドイツゲームが上陸する以前に比べると、流通形態の進化や情報の伝達の圧倒的なスピード化が進んだ結果、本来何度も繰返し遊ぶことで魅力を増すものであるボードゲームの存在価値が近年どんどんと軽視されるようになっています。
その結果何が生じたかといえば、ほとんどの作品が1回しかプレイされない「消費型」が一般化し、言葉は悪いですが「場当たり的なレビュー」が増えるとともに、その作品の本来の姿がきちんと評価されないままどんどん埋もれていくことに繋がっているように思われます。
今現在、過去の名作にスポットを当てるような活動をしている人(サークル等)が一体どれだほどいるというのでしょう?もっといえばそのレポートが「2回目のプレイです」というものがどれだけあるでしょう?たった1回のプレイでその作品の全てを理解したかのようなコメントや評価に過分なまでの価値が見出され、信頼性というファクターはほとんど無いに等しい状態です。
※現時点で私自身が信頼のおけるレビュアーは本当に数えるほどしかいません(ほとんど皆無といってもよいでしょう)。
もちろん、新作をレビューするということは重要です。意義のある行為でありますし、それ自体を全く評価しないわけではありません。しかし、勘違いしてはいけないのは「そういった行為(作業)は一般的にはかなり損をしている」という事実を忘れてしまいがちになるということです。限られた時間の中で「面白いか面白くないか不明の作品を次々と遊び続ける」ということはたとえ熟練者でもかなりリスキーな行動だといえるでしょう。
繰返しになりますがボードゲームの本当の魅力は「2回目のプレイから」といっても良く、そういったじっくりと味わう作業を放棄した形をスタンダードにして欲しくないなぁという気持ちはこの趣味を始めた当初からあって、当サークルの基本形態は「新作と同時に旧作にも目を向ける」というスタイルを大切に貫いてきました。
ですからある意味それでもそのような「新作追い」という「作業」を一生懸命なされている方達をみると「凄いなぁ」と頭を下げたくなる一方で、それによって発信される(あるいは得られる)情報の取捨選択には、本来かなり気を使わなければならない部分があるんじゃないかな?という疑問も抱いてしまいます。
エッセンも終了し、今年も多くの新作がこれから年末に向けて国内にも入ってきます。
もしそれらの新作のレポートを見ることがあれば
「リプレイ(2回目)のレポートであるか否か?」
については注目する意味があると思います。
これはもちろん新作に限らず全てのレビューに言えることですが、「リプレイ(繰返し遊ばれている)」されているかどうかは非常に重要ですし、そのレビュアーの信頼性を図る目安でもあります。最低限(その日のうちにでも良いので)複数回プレイしたあとの感想でないものに関しては、よほど自分の感性に似た人であるとか、その人が知人であるといった特殊な状況下になければ、1歩引いた目で見るのが賢明でしょう。
このコラムの1発目にもタイトルで挙げましたが、「新作ばかりがゲームじゃない!」というのは本当です。私自身特にゲーム購入時には吟味する方なので(少しばかり自画自賛になりますが)自分のコレクション(ボードゲーム棚)を眺めるたびに常々そう思います。新作の嵐が到来する直前の今だからこそ、過去に目を向ける重要性を再認識した週末でした。byタカハシ
先週の週末は急に寒くなったこともあって、冬物の衣料を整理すると共に自室のボードゲームの棚も少し整理しました。
そこで色々と思ったことの1つに、「これらの素晴らしい作品達は、私のボードゲーム人生の中で実際あと何回プレイできるんだろう?」というものがありました。
この趣味を楽しんでいる方で、いわゆる「コレクター」と呼ばれるほどに作品を所有している人(恐らく総数が50を越えていればもはや「コレクター」でしょうね)の多くが一度は考えたこのテーマですが(またあえてそのことには触れないようにしている人も少なくないはずですw)、実際計算してみるとおのずと答えが出てきます。
月にどれだけこの趣味に時間を消費できるか?また毎月(あるいは年単位でも可)どれくらいの新作が増えていっているか?などなど個人差はありますが必ずしもその数字は多くないと思われます。私自身今現在で500くらいは優に所有していますが、単純に年間50個ずつプレイしても10年はかかる計算です><
悲しいことに現在日本のボードゲーム界の最先端を走る方達のほとんどは「消費型」です。
これは新作(あるいは未プレイの作品)を1回でもプレイしたら、大部分の欲求が満たされたものと認識して、次から次へと新作に飛びついていく形態です。そうしないと他の人にどんどん置いていかれるような気持ちにでもなるのでしょうか?それとも単純に新作のペースが早いからなのでしょうか?恐ろしいまでに常に新しい作品を貪欲に求める姿は、まさに趣味人としての形としてはある意味で正しいものなのかもしれませんが、正直本場ドイツの真裏に存在する島国でとられる形態としては少なからず異状な感じもします。
まだ国内に本格的にドイツゲームが上陸する以前に比べると、流通形態の進化や情報の伝達の圧倒的なスピード化が進んだ結果、本来何度も繰返し遊ぶことで魅力を増すものであるボードゲームの存在価値が近年どんどんと軽視されるようになっています。
その結果何が生じたかといえば、ほとんどの作品が1回しかプレイされない「消費型」が一般化し、言葉は悪いですが「場当たり的なレビュー」が増えるとともに、その作品の本来の姿がきちんと評価されないままどんどん埋もれていくことに繋がっているように思われます。
今現在、過去の名作にスポットを当てるような活動をしている人(サークル等)が一体どれだほどいるというのでしょう?もっといえばそのレポートが「2回目のプレイです」というものがどれだけあるでしょう?たった1回のプレイでその作品の全てを理解したかのようなコメントや評価に過分なまでの価値が見出され、信頼性というファクターはほとんど無いに等しい状態です。
※現時点で私自身が信頼のおけるレビュアーは本当に数えるほどしかいません(ほとんど皆無といってもよいでしょう)。
もちろん、新作をレビューするということは重要です。意義のある行為でありますし、それ自体を全く評価しないわけではありません。しかし、勘違いしてはいけないのは「そういった行為(作業)は一般的にはかなり損をしている」という事実を忘れてしまいがちになるということです。限られた時間の中で「面白いか面白くないか不明の作品を次々と遊び続ける」ということはたとえ熟練者でもかなりリスキーな行動だといえるでしょう。
繰返しになりますがボードゲームの本当の魅力は「2回目のプレイから」といっても良く、そういったじっくりと味わう作業を放棄した形をスタンダードにして欲しくないなぁという気持ちはこの趣味を始めた当初からあって、当サークルの基本形態は「新作と同時に旧作にも目を向ける」というスタイルを大切に貫いてきました。
ですからある意味それでもそのような「新作追い」という「作業」を一生懸命なされている方達をみると「凄いなぁ」と頭を下げたくなる一方で、それによって発信される(あるいは得られる)情報の取捨選択には、本来かなり気を使わなければならない部分があるんじゃないかな?という疑問も抱いてしまいます。
エッセンも終了し、今年も多くの新作がこれから年末に向けて国内にも入ってきます。
もしそれらの新作のレポートを見ることがあれば
「リプレイ(2回目)のレポートであるか否か?」
については注目する意味があると思います。
これはもちろん新作に限らず全てのレビューに言えることですが、「リプレイ(繰返し遊ばれている)」されているかどうかは非常に重要ですし、そのレビュアーの信頼性を図る目安でもあります。最低限(その日のうちにでも良いので)複数回プレイしたあとの感想でないものに関しては、よほど自分の感性に似た人であるとか、その人が知人であるといった特殊な状況下になければ、1歩引いた目で見るのが賢明でしょう。
このコラムの1発目にもタイトルで挙げましたが、「新作ばかりがゲームじゃない!」というのは本当です。私自身特にゲーム購入時には吟味する方なので(少しばかり自画自賛になりますが)自分のコレクション(ボードゲーム棚)を眺めるたびに常々そう思います。新作の嵐が到来する直前の今だからこそ、過去に目を向ける重要性を再認識した週末でした。byタカハシ